Jazz Top 10と同様に、JTがかつて大規模に行ったアンケートをもとに、こちらは少し私が手を加えアルバム単位でトップ10を出してみました。やはり資料が手元にないので記憶を頼りにしていますがほぼ間違いないと思います。ブログ記事のあるアルバムについては、文末に(>記事を読む)と付け加えました。
第1位 Saxophone Colossus /Sonny Rollins (Prestige)
ソニー・ロリンズ(ts) トミー・フラナガン(p) ダグ・ワトキンス(b) マックス・ローチ(ds)
1.セント・トーマス 2.あなたは恋を知らない 3.ストロード・ロード 4.モリタート(マック・ザ・ナイフ) 5.ブルー・セヴン (1956年)
ソニー・ロリンズの最高傑作であるばかりでなく、バップに始まるモダン・ジャズ史上最大の傑作といわれる一枚。「セント・トーマス」をはじめ、「モリタート」に「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ」のバラード等々、全曲が名演というアルバム。。(>記事を読む)
第2位 Ballad / John Coltrane(Impulse)
ジョン・コルトレーン(ts) マッコイ・タイナー(p) ジミー・ギャリソン(b) エルビン・ジョーンズ(ds)
1.セイ・イット 2.あなたは恋を知らない 3.トゥー・ヤング・トゥー・ゴー・ステディー 4.アール・オア・ナッシング・アット・オール 5.アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー 6.ホワッツ・ニュー 他全8曲 (1959年)
マウスピースの調子が悪かったコルトレーンが、趣向を変えてスロー・バラード中心に吹き込んだアルバム。コルトレーンのアルバムの中でもっとも一般的な人気の高いアルバムです。
第3位 Art Pepper Meets the Rhythm Section / Art Pepper (Contemporary)
アート・ペッパー(as) レッド・ガーランド(p) ポール・チェンバース(b) フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥー・カム・ホーム・トゥー 2.レッド・ペッパー・ブルース 3.イマジネーション 4.ワルツ・ミー・ブルース 5.ストレート・ライフ 6.ジャズ・ミー・ブルース 他全9曲 (1957年)
「ザ・リズム・セクション」とは、マイルスコンボのレッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)のこと。マイルスのリズム陣を迎えて、いつになくハード目に吹いているアート・ペッパー。
第4位 A Love Supreme / John Coltrane (Impulse)
ジョン・コルトレーン(ts) マッコイ・タイナー(p) ジミー・ギャリソン(b) エルビン・ジョーンズ(ds)
1.パートI:承認 2.パートII:決意 3.パートIII:追求 4.パートIV:讃美 (1964年)
インパルス時代の最高傑作にして、コルトレーン・ミュージックの集大成という呼び声も高い超弩級名盤。精神性の高い作品としても有名で、コルトレーンの思想がここにあるという人もいます。この後、怒涛のフリー時代に突入し、リズム・セクションが去ってゆくことになります。
第5位 Blue Train / John Coltrane (Blue Note)
リー・モーガン(tp) ジョン・コルトレーン(ts) カーティス・フラー(tb) ケニー・ドリュー(p) ポール・チェンバース(b) フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1.ブルー・トレイン 2.モーメンツ・ノーティス 3.ロコモーション 4.アイム・オールド・ファッションド 5.レイジー・バード (1957年)
コルトレーン唯一のブルー・ノートリーダー作にして、初期コルトレーンの傑作。当時のど真ん中の音楽でありながら、「モーメンツ・ノーティス」「レイジー・バード」に聴かれる『ジャイアント・ステップス』への道や、『ロコモーション」での「シーツ・オブ・サウンド」など、コルトレーンの魅力があふれています。(>記事を読む)
第6位Somethin' Else / Cannonball Aderley (Blue Note)
キャノンボール・アダレイ(as) マイルス・デイビス(tp) ハンク・ジョーンズ(p) サム・ジョーンズ(b) アート・ブレイキー(ds)
1.枯葉 2.ラブ・フォー・セール 3.サムシン・エルス 4.ワン・フォー・ダディー・オー 5.ダンシング・イン・ザ・ダーク (1958年)
実質マイルスのリーダー作で、キャノンボールの魅力なら他の作品にも充分に現れているけれど、人気投票ということでは必ず上位に来るアルバムです。Jazz Top 10 では堂々第1位でした。(>記事を読む)
第7位 Now's the Time / Charlie Parker (Verve)
チャーリー・パーカー(as) ハンク・ジョーンズ, アル・ヘイグ(p) パーシー・ヒース, テディー・コティック(b) マックス・ローチ(ds)
1.ザ・ソング・イズ・ユー 2.レアード・ベアード 3.キム 4.コミック・レイズ 5.チチ 6.四月の思い出 他全8曲 (1952年・1953年)
パーカーのヴァーヴ時代におけるワン・ホーンの傑作。パーカーのワン・ホーンというのは意外に少ないのです。特に「コンファメーション」の決定的名演が聴けるのも魅力。
第8位 Giant Steps / John Coltrane (Atlantic)
ジョン・コルトレーン(ts) トミー・フラナガン, ウィントン・ケリー(p) ポール・チェンバース(b) アート・テイラー, ジミー・コブ(ds)
1.ジャイアント・ステップス 2.カズン・メリー 3.カウント・ダウン 4.スパイラル 5.シーダス・ソング・フルート 6.ミスターP.C. (1959年)
16小節で10回も転調するタイトル曲は、しかしながら後のコルトレーンのように凝集するものではなく、どこまでも広がりを持って拡散していく美しい曲です。ここで自信をつけたコルトレーンはやがて、マイルスから独立するわけです。
第9位 Our Man in Paris / Dexter Gordon (Blue Note)
デクスター・ゴードン(ts) バド・パウエル(p) ピエール・ミシュロ(b) ケニー・クラーク(ds)
1.スクラップル・フロム・ジ・アップル 2.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー 3.ブロードウェイ 4.星へのきざはし 5.チュニジアの夜 (1963年)
男デックスがパリで再会したバド・パウエルと丁々発止渡り合うサックスの名盤。デックスの悠揚迫らざる男節とサックスの妙技はこの楽器の魅力を充分に伝えています。(>記事を読む)
第10位 Charlie Parker on Dial / Charlie Parker (Dial)
ディジー・ガレスピー, マイルス・デイビス(tp) チャーリー・パーカー(as) ワーデル・グレイ(ts) デューク・ジョーダン(p) レイ・ブラウン(b) マックス・ローチ(ds)他
1.ディギン・ディズ 2.ムース・ザ・ムーチェ 3.ヤードバード組曲 4.オーニーソロジー 他全37曲 (1945-47年)
サヴォイと並んで、パーカーの絶頂期を捉えたダイアル・レーベル。そこには西海岸での最上のプレイから一転、禁断症状でボロボロになりつつも、人を感動させる「ラバーマン・セッション」、そして意欲的に様々なスタンダードに取り組んだ東海岸セッションまで、彼の明と暗の両方が記録されています。(>記事を読む)