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"Louis Armstrong, Charlie Parker." (Miles Davis summarizing the history of jazz)

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Jazz Trumpet Top 10

ジャズ・トランペットの魅力を楽しむための10枚を挙げてみました。どれもが素晴らしいアルバムなので、順位は便宜的なものです。また、Jazz Top 10 や Jazz Sax Top 10 のように同じミュージシャンが重複しないようにしました。サッチモやビックスのようなモダン以前の天才達は、今回除外しました。

Brown & Roach第1位 Clifford Brown & Max Roach / Clifford Brown (EmArchy)
クリフォード・ブラウン(tp) ハロルド・ランド(ts) リッチー・パウエル(p) ジョージ・モロウ(b) マックス・ローチ(ds)
1.デライラ 2.パリの大通り 3.ブルース・ウォーク 4.ダフード 5.ジョイ・スプリング 6.ジョードゥ 7.ホワット・アイム・ヒア・フォー (1954年・1955年)
ジャズ・トランペッターのトップ、クリフォード・ブラウンの名アルバム。「ジョイ・スプリング」のアドリブ・ラインは驚異的で、後にマンハッタントランスファーがシェークスピアの言葉を歌詞にしてヴォーカリーズしました。(>記事を読む)

relaxin第2位 Relaxin' / Miles Davis (Prestige)
マイルス・デイビス(tp) ジョン・コルトレーン(ts) レッド・ガーランド(p) ポール・チェンバース(b) フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1.イフ・アイ・ワー・ア・ベル 2.ユー・アー・マイ・エブリシング 3.アイ・クッド・ライト・ア・ブック 4.オレオ 5.イット・クッド・ハプン・トゥー・ユー 6.ウッディン・ユー (1956年)
ING4部作の一つで、抑制されたマイルスのミュートプレイが魅力の一枚。タイトルどおり「リラックス」したセッションの様子も捉えられていて、「もう一回やろう」「何でだ?」「栓抜きどこ?」のやり取りもリアル。(>記事を読む)

Candy第3位 Candy / Lee Morgan (Blue Note)
リー・モーガン(tp) ソニー・クラーク(p) ダグ・ワトキンス(b) アート・テイラー(ds)
1. キャンディ 2. シンス・アイ・フェル・フォー・ユー 3. C.T.A. 4. オール・ザ・ウェイ 5. フー・ドゥ・ユー・ラヴ・アイ・ホープ 6. パーソナリティ (1957・1958年)
天才児リー・モーガンの魅力がたっぷりと味わえるワン・ホーン・アルバム。名曲「アイ・リメンバー・クリフォード」に関しては、次に扱っているディジー・ガレスピーの「アット・ニューポート」で。(>記事を読む)

At Newport第4位 At Newport '57 / Dizzy Gillespie (Verve)
ディジー・ガレスピー, リー・モーガン(tp) アニー・ヘンリー(as) ベニー・ゴルソン(ts) ウィントン・ケリー(p) ポール・ウェスト(b) チャーリー・パーシップ(ds) 他
1. ディジーズ・ブルース 2. スクール・デイズ 3. ドゥードリン 4. マンテカ・テーマ 5. アイ・リメンバー・クリフォード 6. クール・ブリーズ 他全9曲 (1957年)
お祭り男、ディジー・ガレスピーがビッグバンドを引き連れてニューポート・ジャズ・フェスティバルに乗り込んだときのライブ・アルバム。リー・モーガン、ベニー・ゴルソン、ウィントン・ケリーら最強の布陣。

Cafe Bohemia第5位 At the Cafe Bohemia / Kenny Dorham (Blue Note)
ケニー・ドーハム(tp) J.R.モンテローズ(ts) ケニー・バレル(g) ボビー・ティモンズ(p) サム・ジョーンズ(b) アーサー・エッジヒル(ds)
1. モナコ 2. ラウンド・アバウト・ミッドナイト 3. メキシコ・シティ 4. チュニジアの夜 5. ニューヨークの秋 6. ヒルズ・エッジ (1956年)
渋いトランペッターとして名高い、ケニー・ドーハムのカフェ・ボヘミアでのライブ盤。「ラウンド・ミッドナイト」、「ニューヨークの秋」といった名曲を味わい深く演奏している。

Standard Time第6位 Standard Time / Wynton Marsalis (Columbia)
ウィントン・マルサリス(tp) マーカス・ロバーツ(p) ボブ・ハースト(b) ジェフ・ワッツ(ds)
1. キャラバン 2. パリの四月 3. チェロキー 4. グッドバイ 5. ニュー・オリンズ 6. スーン・オール・ウィル・ノウ 他全12曲 (1986年)
その発言や姿勢にはいろいろな評価があるけれど、80年代以降の若手4ビートの流れを築いたという意味で、やはり無視するわけにはいかない人物。トランペッターとしての腕前も超一流です。

byrd blows on beacon hill第7位 Byrd Blows on Beacon Hill / Donald Byrd (Transition)
ドナルド・バード(tp) レイ・サンティシ(p) ダグ・ワトキンス(b) ジム・ジターノ(ds)
1. リトル・ロック・ゲッタウェイ 2. ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス 3. ピープル・ウィル・セイ・ウィア・イン・ラヴ 4. イフ・アイ・ラヴ・アゲイン 5. ホワッツ・ニュー 6. 星影のステラ (1956年)
短命に終わったレーベル、トランジションに吹き込んだドナルド・バードの傑作。ワン・ホーンでのびのびと気持ちよさそうに吹いているところが微笑ましいアルバムです。(>記事を読む)

Blue’s Moods第8位 Blues's Moods / Blue Mitchell (Riverside)
ブルー・ミッチェル(tp) ウィントン・ケリー(p) サム・ジョーンズ(b) ロイ・ブルックス(ds)
1. アイル・クローズ・マイ・アイズ 2. エイヴァース 3. スクラップル・フロム・ジ・アップル 4. カインダ・ヴェイグ 5. サー・ジョン 6. ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ (1960年)
「もう一人」のハード・バップ・トランペッター、ブルー・ミッチェルがこれまたワンホーンでのびのびと吹き込んだアルバム。ウィントン・ケリーのピアノも光り、特に1曲目「アイル・クローズ・マイ・アイズ」のイントロは素晴らしい出来です。

Sings and Plays第9位 Sings and Plays / Chet Baker (Pacific)
チェット・ベイカー(tp, vo) バド・シャンク(fl) ラス・フリーマン(p) レッド・ミッチェル, カーソン・スミス(b) ボブ・ニール(ds) 他
1. レッツ・ゲット・ロスト 2. ジス・イズ・オールウェイズ 3. ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ 4. サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー 5. ジャスト・フレンズ 6. アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー 他全10曲 (1955年)
「チェット・ベイカー・シングス」に続く本アルバムは、歌のみならず、そのクールなトーンでよく歌うトランペットも収録されています。

To Duke with Love第10位 To Duke with Love / Art Farmer (East Wind)
アート・ファーマー(flh) シダ・ウォルトン(p) サム・ジョーンズ(b) ビリー・ヒギンズ(ds)
1. イン・ア・センチメンタル・ムード 2. スイングがなけりゃ意味ないさ 3. スター・クロスド・ラヴァーズ 4. ブラウン・スキン・イン・ザ・キャリコ・ガウン 5. ラッシュ・ライフ 6. ラヴ・ユー・マッドリー (1975年)
日本の誇るべきジャズ・レーベル、イースト・ウィンドの製作。フリューゲルホーンですが、その遠くへと呼びかけるような澄んだ、温かみのあるファーマーの音色には脱帽。エリントンに追悼をささげたアルバム。(記事を読む)