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Wynton Kelly: Smokin' at Half Note (Verve)

June 15th, 2008 · No Comments

halfnote
フルハウス』で共演したウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリーは相性がよかったのか、このライブ盤で再び名演を繰り広げます。

録音は1965年6月と9月。場所はライブ録音がニュー・ヨークのクラブ「ハーフ・ノート」でスタジオ録音がヴァン・ゲルダー・スタジオ。メンバーはウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)のウィントン・ケリー・トリオにウェス・モンゴメリー(g)が加わった形になっています。

まず、何はともあれ1曲目の "No Blues" です。ウィントンはイントロの天才だけれど、ここでもまたその天才性が発揮されて「絶対名演になる」という感じのイントロ。トップ・バッターはウェス。畳み掛けるようなシングルトーンによるリフをしつこいぐらい繰り返して演奏のボルテージを高めていき、同時にグループの一体化(グルーヴ感)を構築するや、オクターブ奏法に切り替えスリリングなソロを展開。続いてコード奏法に移る。この展開を何コーラスにもわたって繰り返し、ソロ全体が大きなリフのようになっていますが、間然とするところは全くありません。ウィントンも伴奏をしながらウェスに聴きほれているような風情がします。続くウィントンは全盛期ほどの迫力はありませんが、ウェスと同じくしつこいようなリフを、珠を転がすようなタッチで弾いていきます。途中ウェスの合いの手に応えたりと充実したソロです。ポール・チェンバースのベースソロを経て合奏に戻って終わり。13分にわたる熱演ですが、スリリングな展開に時間を忘れ、あっという間に終わったような感じがします。

2曲目のバラード "If You Could See Me Now" はトリオによるドラマティックなテーマ演奏に続いて、ウェスのギターが先発。これがまたいい。レイド・バックした感じのゆったりとした展開の中に恐ろしいまでのテクニックをきっちり詰め込み、精緻を極めたソロになっています。この辺がグラント・グリーンとの違いでしょうか 8) もっとも、グラント・グリーンも好みなんですがね。ウィントンのソロはそのままエンディングに入っていくような感じで、ドラマティックなソロ。

3曲目 "Unit 7" はベーシストのサム・ジョーンズによる作品。ウィントンが先発して華麗なソロを展開。その後登場のウェスは非常にエキサイティングです。

4曲目の "Four on Six" はウェス・オリジナルで「サマータイム」のコード進行を使っています。ウェスのソロは自分のオリジナルということもあって実に素晴らしい。ギター奏法のショーケースといっても過言ではありません。ウィントンは元歌「サマータイム」のメランコリックな気分がよく表れたソロです。ポールのソロはアルコ弾き。ジミー・コブのドラムソロまで付いています。最後の合奏で聞こえるのは歴史的な録音『ミントンズ・ハウスのチャーリー・クリスチャン』の "Swing to Bop (Topsy)" に聴かれるフレーズですね。

ラストはスタンダードの "What's New?"。ウェスによるこの曲のテーマ演奏を聴くと、彼のバラード解釈がパット・マルティーノにダイレクトな影響を与えていることが分かります。ウィントンのソロになるとイン・テンポに転じ、ドラムがステディーなビートを刻んでわりと明るめの雰囲気に変わります。その雰囲気を保ったままウェスがソロを半コーラス取りテーマに戻ります。味わい深いバラードだと思います。

『フル・ハウス』、『インクレディブル・ジャズ・ギター』と並ぶウェスの名盤。

Tags: guitar · Kelly, Wynton · Montgomery, Wes · piano

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