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Herbie Hancock: Empyrean Isles (Blue Note) | jazz.info

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Herbie Hancock: Empyrean Isles (Blue Note)

July 31st, 2007 · 2 Comments

Empyrean Isles

ハービーさんによるこのアルバムは、B面1曲目の "Cantaloupe Island" にその人気の原因があるように現在では思われていますが、これは折からのグルーヴ物ブームでUS3によるサンプリングが売れまくったことがきっかけです。ジャズ業界にはこういうことに弱い体質があって、普段ポップスを邪険にしている割りに、ポップス側から火がつくとそれに乗っかって「さあクラブ・シーンではカンタロープだよ」とか「今日はクラブでアフロディジアを踊ってきたよ!」と、踊るクラブと銀座のクラブの違いももわかっていなければ踊りといっても盆踊りぐらいしか経験したことないような評論家まで言い出すところがあります。私も一、二度踊るクラブに連れ出されたことがありますが、あんなのうるさくてがさつなだけで何処がいいのか分からない。大体難聴になりますよ、あんなに耳を聾する環境に長時間いたら。などと踊るクラブのほうに文句を言っても仕方がないのですが、若者が気に入る=いいものであるという、50年代以降の大量消費の必要性から大資本によって延々と馴致し続けられた若年脆弱文化へ擦り寄る(なんのこちゃ?)ような態度に対しては、「なんだかなー」という気持ちをずっと持っていました。本当はもっと単純に「むむ、息子ぐらいの世代が興味を持ってくれている、うれしいね」ということなんだろうから、無理やり目くじらを立てる必要はないんですけれど、あえて立ててみました。

というのも、このアルバム、やっぱりソロが爆発しているのはモーダルな1曲目 "One Finger Snap" だと思うからです。メンバーはフレディー・ハバード(tp)、ハービー(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)ということで、マイルスの第2次黄金カルテットのリズムにフレディーのペットが乗っかっています。フレディーはテクニックがあるのに、時々無味乾燥なフレーズを連発して聴く者をうんざりさせる傾向がありますが、ここでの演奏はすごい!びしびしフレーズが決まっていきます。その句読点を演出するのがトニーの太鼓の連打。続くハービーもジャズ・ピアニストとしての実力を遺憾なく発揮しています。モーダルな曲の曲想というのは意図的に結節点をつけていかないと、とめどなく横に流れていくので、実はバップ以上に歌心というのかフレーズ感覚が優れていないと「冷たい音の上下」に堕してしまうことがあるんですね。ここではそうならずに、意味のあるフレーズの連続となっているところが彼らのセンスでしょう。マイルスの『ESP』などで訓練された結果が十分に出ています。

続く "Oliloqui Valley" も彼らのコンセプトを十分に出したものですが、リズムに変化があるのでもっと曲想にメリハリがあります。ハービーのソロから始まり、フレディーに引き継がれますが、よく歌うソロです。その後ロン・カーターの理屈っぽいベースソロに受け渡されテーマに戻ります。1曲目の「ワン・フィンガー・スナップ」がすごいと言うべき作品であるのに対し、「オリロキ・ヴァレー」は好ましい作品という感じです。

そして3曲目 "Cantaloupe Island"。「カンタループ」とはメロンのこと。「ウォーター・メロン・マン」といい、ハービーさんはメロンが好きなのだろうか?ファンキーな曲調でフレディーがいつになく語尾をクイクイ上げてリー・モーガンみたく吹いています。確かに聴きやすく、乗りがよく、印象的な演奏です。ライナーノーツによるとハービー自身90年代のリバイバルに触発されてこの曲を見直し、ライブの必須レパートリーにしたそうです。

最後の "The Egg" はフリージャズです。ただフレディーがトナリティーの重力を感じさせるので、フリーと調性内のギリギリを彷徨っている感じ。ハービーのピアノをはじめ、リズムはフリーフォームで演奏しています。ロン・カーターのソロはアルコでやっぱり理屈っぽく、ハービーは現代音楽のようなソロからはじめ、ドラムが入ってきてテンポを動かしながら多面的な曲調を弾き分けています。私などのような4ビート信者は4ビートを待ち遠しく思いながらフリーの部分を耐え忍び、4ビートの片鱗が出てきたときにヨロコンデいるといった一種変態的な聴き方をしています。トニーのよく分からないソロの後、テーマに戻って終わります。

「カンタロープ」のイメージだけに囚われぬように今回聴き直してみて、ずいぶんと再発見がありました。下に紹介するCDは最近の再発で、お蔵入りテイクが最後に追加されているようです。

Tags: Hancock, Herbie · piano · Williams, Tony

2 responses so far ↓

  • 1 yas // Aug 1, 2007 at 1:05 am

    こんばんは。
    下の掲示板にも書きましたが、”Said: Your comment is awaiting moderation. ”となっていて、英語の読めないワタクシは、???でした(笑)

    さて、URLを新たに変更しました。
    http://blog.s-dayz.jp
    となりましたので、お手数ですが変更をお願いします。
    (旧URLでも見れます。)

    ハービーさんは「処女航海」しか聴いた事がありませんが、
    このアルバムのジャケット良いですね。
    ジャケ買いしたくなりそうです(笑)
    G坂さんは、ジャケ買いしたことがありますか?

    多分・・・・ハービーさんはメロンが好きなのです(笑)

  • 2 G坂 // Aug 1, 2007 at 1:56 am

    >yasさん

    おそらくこれまでのURL情報が新しいURLと異なっていたので、いったん表示を見合わせる=節制するというようなことだと思います。ですが、こうして表示できているようなので問題はなしです。

    URLの件、了解しました。

    ジャケ買い、もちろんあります。ブルーノートはジャケもいいので半分ジャケ買いみたくなっています(笑)

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