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Miles Davis: 'Round about Midnight (Columbia) | jazz.info

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"Louis Armstrong, Charlie Parker." (Miles Davis summarizing the history of jazz)

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Miles Davis: 'Round about Midnight (Columbia)

July 25th, 2007 · No Comments

round midnight

プレスティッジの契約下にあったマイルスを見初めたコロムビアは、プレスティッジとの再契約を断って自分たちと契約するようマイルスと交渉するとともに、プレスティッジとの契約が失効するまでは発売しないという約束でこっそり録音したものがこのアルバムです。この間の事情についてはCookin'の記事で油井先生の言葉を引用して解説したとおりですが、一番最初の録音が'55年10月27日、以降'56年6月5日、9月10日と続きます。面白いことに、かの第一次黄金カルテット(マイルス、コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ)といえばプレスティッジなのですが、それより早く55年の段階でこのグループが吹き込んでいるわけです。その後のレコーディングを含めプレスティッジの「ING四部作」と時期的にかぶっているわけですが、しかしこのアルバムを他の作品とは違ったものとして際立たせているのは、やはり "'Round about Midnight" の歴史に残る演奏でしょう。

モンクのこの曲に関してはこれ以前にも『コレクターズ・アイテム』というアルバムに吹き込んでいますが、コロムビア盤の集中力と構成力は半端でない。これには新しいレーベルへ吹き込む意欲とともに、アレンジの問題があるように思います。ライナーノーツにある小川隆夫さんの記事には次のように書いてあります。

「確かにあのアレンジはわたしのものだ」。

1983年3月末、ギル・エバンスはミッド・タウンに借りていた仕事場でこう語ってくれた。あのアレンジとはマイルス・デイビスが米コロムビアに吹き込んだ<ラウンド・ミッドナイト>のことである。

以降イントロ、カウンターメロディー、ヴァンプ等々、ギルのアレンジがベースになっていることが語られていきます。ヴァンプに関しては吉祥寺メグの寺島さんが「絶対に許せないあの部分」と酷評していますが、これがないと物足りないという人も多いわけで、確かに『コレクターズアイテム』における同曲にはこのヴァンプがないので、その辺に差し掛かると「あらっ?」となります。

私などは朝の通勤でもこれを聴いてしまうようなところがあるのですが、やはりこの曲のムードはタイトルどおり夜です。ただ、ヴァンプとコルトレーンのソロは夜流すにはちょっとうるさい気もするので、ボリウムに注意。特にSMEの新しいリマスター盤は音が濃厚になっているのでジャズの醍醐味は十分あるけれど音量には要注意です。

2曲目の "Ah-Leu-Cha"。Charlieを逆さ読みしたタイトルで、もちろんパーカーの曲、サヴォイ・セッションに入っていて、こちらでもマイルスがテーマを吹いていました。ジャズには珍しく対位法を用いたテーマでもと歌は"Scrapple from the Apple" と同じ "Honeysuckle Rose" です。今回はコルトレーンと対位法で絡み、ドラムソロも入るテーマ処理。ビバップの香り全開ですがアレンジの巧みさなど、このグループがすでにグループとしてまとまっていたことを示していると思います。

3曲目の "All of You" と4曲目の "Bye Bye Blackbird" はどちらも歴史的名演で、その理由はこのアルバム以降に吹き込まれた2曲は、必ずといっていいほどここでの解釈に影響を受けているからです。ちなみにマイルスは "Blackbird"(クロツグミ)と呼ばれると激怒したそうで、じゃあこの曲の話題はどうやって振ればいいんだって話になりますが、「過去を振り返らなかった男」のことですから、話題に出されても無視していたんでしょう。

5曲目 "Tadd's Delight" はビバップ期に活躍した作曲家タッド・ダメロンの作曲、エネルギッシュな演奏です。そして最後の曲が "Dear Old Stockholm"。スタン・ゲッツの決定的な解釈がありますが、これまたもう一つの代表的解釈で多くのミュージシャンに影響を与えています。これはもともとBNに吹き込んだバージョンを拡大したものですが、静のマイルスに動のコルトレーンという対比が面白く素晴らしい演奏になっています。

以前は「マイルスで最初に買うなら『リラクシン』だ」と言っていましたが、それはコロムビア盤の音が薄かったからです。リマスターでずいぶんと厚い音に仕上がっているので、こちらを最初に買ってもいいかもしれません。

Tags: Coltrane, John · Davis, Miles · trumpet

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