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The Modern Jazz Quartet: European Concert (Atlantic)

June 29th, 2007 · No Comments

Modern Jazz Quartet European Concert
MJQ (The Modern Jazz Quartet)はどのアルバムを聴いても良く(初期のケニー・クラークは少し浮いている気もしますが)、『ジャンゴ』、『フォンテッサ』、『コンコルド』、『ピラミッド』といったレコーディング4大名盤も素晴らしいし、映画音楽でもある『たそがれのヴェニス』なども優れた名盤です。

おそらくあまりジャズを聴いたことのない人に、ジャズの典型的なイメージを求めると、MJQのように全体はクールでかつ部分はファンキーな演奏を思い浮かべるのではないでしょうか?

私事ですが、ジャズを聴き始めたころ、やはりこのMJQに嵌り、ちょうど日本武道館でリユニオン・コンサートを開くことになって来日した折、武道館まで田舎の高校生として出かけました。お金がないので、近所の中学生が英語を教えてくれる人を求めていたのを聞きつけて、母親の伝で紹介してもらい、2ヶ月ほど中学英語を教えてあげて捻出したお金で行きました。会場には錚々たる著名人(今で言うセレブ)が来ていました。油井先生とはその前に一度お会いしたことがあってご挨拶をしたほか、高嶋忠夫夫妻、タモさん、ヒノテル氏などもお見かけしました。途中トイレに迷い、武道館の構造もあって一周していると、彼らの楽屋の前にたどり着いてしまい、警備員にとがめられているところをパーシー・ヒースに助けてもらい、その恩も忘れて、精一杯の英語でミルト・ジャクソンに向かって"I'm a fan of yours"といった思い出があります 🙂 子供にベースラインは難しすぎたのです・・・

今回紹介する『ヨーロピアン・コンサート』は、MJQ全盛時代のライブ録音です。上に挙げたような名作を丹念に一枚一枚聴いていくのも一つですが、このような名曲ライブを聴くこともMJQに限ってはありだと思っています。というのも、スタジオ録音が、どうしても「静」に傾くきらいがあるのに対して、ライブだと「動」に傾き、よい意味で彼らが本音を繰り広げたり、歓声に乗ってコーラスを増やしてアドリブしたりするからです。それでも、ユニットとしてのまとまりは壊していない、絶妙なバランスの上に成り立っているのがこのアルバムです。

私が特に好きなのは、冒頭の"Django"から、レイドバックしたミルト・ジャクソンの"Bluesology"にかかるところ、そして、トレイドマークともいうべき"Bug's Groove"が終わって「四月の思い出」に繋がっていくところなどです。

MJQの買い方としては、これと『ラスト・コンサート』を最初に購入し、続いて気に入った曲を各アルバムに当たって原点を見ていくのがかしこいやり方だと思っています。

Tags: group · Lewis, John · The Modern Jazz Quartet

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