かなり最初の頃に買ったベスト集です。
この頃RCAでは The Essence of Jazz Classics(ジャズ栄光の巨人たち)と題して、膨大なRCAヴィクター系の音源のベスト集を出していました。そのカタログがこちら(ライナーノーツの裏面のため、ジャケットサイズなので二つの画像に分けてあります)。
どれも膨大な量の中から油井先生が中心となって選りすぐったもので、とりわけエリントンは吹込みが多く、油井先生自身ライナーノーツで次のように書いています。
そこで初期(1927年)から31年までの代表作8曲をA面に、ジミー・ブラントン(ベース)が在団しており、一般にエリントン一代の黄金時代とされている1940-41年の傑作8曲をB面においた。これでも「なぜ《ソリチュード》が洩れたのか?」といった詰問が出ることは覚悟している。「もっとききたい」という方には、栄光の遺産シリーズをお買い求めになることをおすすめする。内容は絶対にまちがいないのだから??
当時はLPレコードが基本フォーマットで、これは片面30分がやっと入るか入らないか、音質のことまで考えれば片面23分程度が望ましく(ここから46分テープが出て来る)、3分芸術のLP化でも片面8曲が限度だったわけです。サッチモの28年ベスト集で片面10曲、計20曲というすごいLPもありましたが。したがってベスト集を編む場合、今以上に選りに選る必要があったのです。しかし、そのことが逆に選ぶ側の集中力というか気合を高め、結果的に印象に残る選集が出来ていたような気がします。上のカタログでも、エリントンはじめベニー・グッドマンやアーティー・ショウなどはよほど耳と知識の肥えた人でないとこういう選曲は出来ない。だからどれも印象に残るアルバムで、今でも大切に持っています。
このアルバムでは初期のジャングルスタイルから"Creaole Love Call"や"Black and Tan Fantasy"(黒と褐色の幻想)、そして"Mood Indigo"が選ばれ、一方B面にはエリントンの歴史上最高の傑作といわれる"Jack the Bear"と"Koko"の2曲のほか、今でも演奏されるエリントンのヒット曲が収められています。エリントンのベスト集を買う場合、最低でもこの「ジャック・ザ・ベア」と「ココ」が収められているものを買うのが賢いやり方です。
しかし今では、ベスト集どころか全集に近いものでさえ昔のベスト集に近い値段で買えるんですね。この記事を書くために、ざっとAmazonをあさってみましたが、下に挙げたアルバムなど値段、曲数、編集ともによく出来ているんではないでしょうか。
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