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Art Blakey: At Club Saint-German Vol. 2 (RCA) | jazz.info

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Art Blakey: At Club Saint-German Vol. 2 (RCA)

May 26th, 2006 · No Comments

Saint-German
もう一つ60年代の気分を表すのが"Moanin'"という曲です。作曲はボビー・ティモンズ。ジャズ・メッセンジャーズのピアニストです。ブルーノートのアルバム『モーニン』が火付け役となり、62年の正月にジャズ・メッセンジャーズが来日するや日本中が「ファンキーブーム」になったといわれ、油井先生の表現を借りれば「そば屋の出前持ちまでも、モーニンを口ずさんだ」という話です。まぁしかし、たまたま油井先生が行き違ったそば屋の出前持ちが熱狂的なジャズファンだったという可能性は依然として残りますね。

「ファンキー」という言葉はもともと「たばこ臭さ」を意味するフランス語から来ているといわれていますが、簡単にいうと「臭い」という意味です。この場合は黒人的な体臭の強い音楽、リズムに粘りがあって音もブルーノートを多用して黒っぽいジャズを指すのですが、その傾向の原点とも言えるアルバムがブルーノート盤『モーニン』なのです。本当はこれを紹介してもよかったのですが、それ以上に盛り上がっていて当時の空気を伝えているのアルバムがあるのでそちらを紹介したいと思います。私自身、BN盤「モーニン」はラジオで散々かかるので、テープにとってそれを聴いていました。最初に買ったジャズ・メッセンジャーズのレコードは今日紹介する方のアルバムです。本アルバムはジャズ・メッセンジャーズが渡仏した際、パリの「クラブ・サンジェルマン」で行った演奏のライブ録音。メンバーはBN『モーニン』と同じく、リー・モーガンのトランペットとベニー・ゴルソンのテナーという構成です。唯一違うのは、ここにもう一人新しい参加者がいることで、それはヘーゼル・スコットというピアニストですが、ここではピアノを弾いていません。客として来ていて一人おお盛り上がりで騒いでいる女性です。録音でもばっちり捕らえられていて、彼女の大騒ぎぶりがはっきり聞こえるので、この「モーニン」の正式なタイトルは "Moanin' with Hazel" となっています。

しかし、この騒ぎ。曲テーマなんか一緒に歌っちゃっています。アドリブに入っても延々騒ぎ倒して、最近話題の「引っ越しさん」顔負けのうるささです(笑)。同じピアニストということで、ボビー・ティモンズのソロになるとさらにヴォリュームアップして、挙げ句の果てに "Oh Lord, have mercy"(主よ哀れみを賜え)なんつうお祈りの言葉まで叫んで、それがきっちり録音されてしまっています。ティモンズも煽るようなソロを取ってます、わざと。もっとも、"Moanin'"という曲名自体、黒人教会で現世の辛さを嘆くことを意味していますから、あながち間違った叫びでもないのですね。いずれにせよ、日本のライブハウスで同じ調子だったら、周りから「シーッ」ととがめられそうな勢いで乗っています。

「クール・ストラッティン」に「ブルー・マイナー」があるように「モーニン」と対になるのがB面の "Blues March (for European No. 1)" です。これもまたオリジナル以上に乗りに乗った演奏で興奮します。その他の2曲 "Evidence" と "Like Someone in Love" ですが、どちらも演奏の繊細さと複雑さという観点に立っていえば、「モーニン」や「ブルース・マーチ」以上の出来を示していると思います。とくに、やはりというべきかリー・モーガンのペットはここでも冴えていますね。どちらもクリフォード直系の旋回するアルペジオに、彼の個性である「クイクイ上がる語尾」を付け加えていますが、「モーニン」の場合のように下品になりすぎず非常に好みのソロです。ベニー・ゴルソンはどうかというと、あんな繊細な作曲・アレンジ能力があるのになぜかソロは常にラフ・プレーであまり好みではありません。

『モーニン』もいいですが、ライブということで時代の空気が缶詰されているのはむしろ、この『クラブ・サンジェルマン』だと思います。推薦!

Tags: Blakey, Art · drums

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