現在松嶋菜々子が出演している「生茶」のCMのバックで使われている曲は "Spain" という曲で、そのオリジナルが収められているのがこのレコードです。CMで使われている美しくて印象的なメロディーを聴くと、どうしてもここは一発弾いてみたいなと思うんですが、この美旋律の前後に「もうどうにでもなれ」と言いたくなるほど超難しいリフがあるので、私もこの曲には触れずにそっとそばを通り過ぎています。
このレコードは1972年の録音で、演奏は「リターン・トゥー・フォーエヴァー」。チック・コリアのグループで、チックのエレピの外、ジョー・ファレル(fl, ts)、スタンリー・クラーク(b)、アイアート・モレイラ(perc)、フローラ・プリム(vo)で構成されています。第1作、その名も『リターン・トゥー・フォーエヴァー』(通称 "カモメ")に続いて同じメンバーで出されたこの第2作はフローラ・プリムのボーカルが全面にフィーチャーされ、曲もラテン?ブラジリアンフレーバーがふんだんにまぶされていてかなりポップな作品です。
A-1 "You're Everything" はチックのオリジナルで、冒頭から鼻歌みたいなプリムの歌声が聞こえてきます。A-2の表題曲 "Light as a Feather" はタイトルどおり軽い感じで歌い流しています。チックも軽いタッチで弾いていきますが、後半ワーワーを入れたりして盛り上げテナーのファレルにソロを受け渡します。ファレルのソロはかなり燃え上がりベースに受け渡し、テーマとプリムの歌に戻って終わります。A-3 "Captain Marvel" はプリムのアーアアーコーラスも交えたユニゾンを句読点にしてファレルがフルートソロを展開します。フルートに続いてチックのエレピがスピード感あるソロを取っています。
B-1 "500 Miles High " はファレルのテナー、スタンリーのアコベのソロが素晴らしく、徐々に盛り上がりながらクライマックスにまっすぐ突っ込んでいくところが魅力です。B-2 "Children's Song " はスペインに入る前のインタールードみたいな曲。
そして "Spain"。ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』を前奏に用いて一気にスペインのイメージを高めます。テーマは3つの部分に分かれていて、パート1は16分のフレーズから8分のリズムを強調した3小節、パート2はCMでも使われている印象的なメロディーの6小節(ここだけなら楽なんですけれどね)、そしてパート3は複雑を極めたリズムの7小節です。このメロディーを区切りにしてファレルのフルート、チックのエレピ、スタンリーのベースがそれぞれスパニッシュフレーヴァー豊かなソロを取っていきます。
下は輸入盤CDです。しかし、公平にいってこのアルバムを買うより「スペイン」だけを音楽配信コンテンツからダウンロード購入したほうがよいような気もしますね、、、っておい! 😡
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