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John Coltrane: My Favorite Things (Atlantic) | jazz.info

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John Coltrane: My Favorite Things (Atlantic)

August 25th, 2007 · No Comments

My Favorite Things

コルトレーンの "My Favorite Things" はメディアジェニックな曲なのかも知れませんね。以前にタモさんがNHK-FMの特番でやったジャズ番組のテーマ曲がこれでした。また、伊東四郎主演のテレ東サスペンス「狂った計算?灼熱のニュータウン殺人事件」でも、この曲が重要な役割を果たしていました。聞き込みの最中に「忌中」の張り紙が貼られた家を訪ねると、別の部屋から「マイ・フェイバリット・シングス」が流れていて奇妙に思う伊東四郎演ずる近松丙吉が、徐々に犯罪を暴いていくストーリーで、この曲が事件を解くポイントとなっていました。またクラシックの赤坂達三(cl)の同曲がJR東海のCMで流れていることはご存知の人も多いと思います。

さて、ミュージカルの傑作といわれる『サウンド・オブ・ミュージック』から出たこの他愛ないといえば他愛のない曲を、コルトレーンはモーダルに解釈して全く異次元の演奏に仕立てます。まるでアラビアやインドの呪術的な音楽のよう。しつこいしつこいスケールの畳みかけがそれを助長します。またこれらが組み合わされたせいで、コルトレーンの吹くソプラノ・サックス自体がシャナイというインドの民族楽器のような音色を感じさせるわけです。これが一種のコルトレーン・マジックです。

シャナイの音色(.wav)

ソプラノ・サックスはシドニー・ベシェ?スティーブ・レイシーという偉大な例外を除けばジャズの世界ではそれほど用いられていなかった楽器ですが、コルトレーンがここで復活をさせます。この楽器、ピッチが取りづらい上にポジションによって音色のばらつきが激しい楽器なのですが、コルトレーンの棒状態が上手く作用して(本当は猛練習したんでしょうが)このアルバムでのトレーンは音痴ではなくなっています。高いところが弱いコルトレーンでしたがソプラノはもともと高いですしね。

A面2曲目の "Everytime We Say Good By" も雰囲気があっていいですが、これはほとんどメロディーしか吹いていないですね。ここではソプラノのせいもあって高域の怪しさも消え、棒吹きもこのコール・ポーターの曲想にあって名演に仕上がっています。

B面1曲目の "Summertime" はテナーに持ち替えています。音数の多いコルトレーン・スタイルで吹き上げています。これは「サマータイム」の演奏としてはシドニー・ベシェ、パーカーに並ぶ屈指の名演だと思います。これに匹敵するのはむしろジャズではなくて、ロックのジャニス・ジョップリンぐらいかもしれない。エルヴィンのソロも歌いに歌っています。

最後の曲 "But Not for Me" もテナー。しかし「フシが違うよ」と言いたくなるようなテーマの吹き方。これは原曲のよさがあまり出ていない割りに、コルトレーン独自の味付けもなくて野暮な演奏です。(2017年追記 こう書いたけれど、聴きなおすとこれはメロディーは保ちつつコードの方をジャイアントステップスに変えている野心作だと気付いた。それが成功しているかどうかは別として)

CDではLPにはなかった「マイ・フェイバリット・シングス」の別テイクが収録されているようです。

Tags: Coltrane, John · tenor sax

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