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	<title>jazz.fukao.info &#187; tenor sax</title>
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	<description>&#34;Louis Armstrong, Charlie Parker.&#34; (Miles Davis summarizing the history of jazz)</description>
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		<title>Billie Holiday: A Portrait of Billie Holiday - Disk 2 (Columbia)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2009/08/24329.php</link>
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		<pubDate>Sun, 23 Aug 2009 15:36:15 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Holiday, Billie]]></category>
		<category><![CDATA[vocal]]></category>
		<category><![CDATA[Wilson, Teddy]]></category>
		<category><![CDATA[Young, Lester]]></category>

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		<description><![CDATA[Side-A 1. Sun Showers 2. Yours and Mine 3. I'll Get By 4. Mean to Me 5. Foolin' Myself 6. Easy Living 7. I'll Never Be the Same 8. Me, Myself and I 9. A Sailboat in the Moonlight Side-B 1. Can't Help Loving' Dat Man 2. When You're Smiling 3. I Can't Believe that [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>Side-A<br />
1. Sun Showers<br />
2. Yours and Mine<br />
3. I'll Get By<br />
4. Mean to Me<br />
5. Foolin' Myself<br />
6. Easy Living<br />
7. I'll Never Be the Same<br />
8. Me, Myself and I<br />
9. A Sailboat in the Moonlight</p>
<p>Side-B<br />
1. Can't Help Loving' Dat Man<br />
2. When You're Smiling<br />
3. I Can't Believe that You're in Love with Me<br />
4. I'll Never Fail You<br />
5. The Man I Love<br />
6. All of Me<br />
7. I'm in a Lowdown Groove<br />
8. Love Me or Leave Me<br />
9. Until the Real Thing Comes Along</p>
<p>Disk 2の曲は以上のとおり。このアルバムのA面を彩るセッションはレスターヤングとビリーのインタープレイ、そしてメンバー全員による集中したソロとメンバー間に漂うグルーヴにより、ジャズ史上最高のセッションと言われます。私も、この面は何度かけたか計り知れません。最初の4曲は'37年5月11日のセッション。メンバーはレディーのほかバック・クレイトン(tp)、バスター･ベイリー(cl)、ジョニー･ホッジス(as)、レスター･ヤング(ts)、テディー･ウィルソン(p)、アラン･リュース(g)、アーティー･バーンスタイン(b)、コジー･コール(ds)。1曲目"Sunshower"ではレスターのイントロの後、クレイトン、ホッジスによるテーマ演奏が続き、バスターのオブリガートを伴ってビリーが抑えた感じで入ってゆき盛り上がった感じで抜けてゆきます。テディーのソロの後は、レスターの1、3拍（表）にアクセント置く意表をついたアドリブを経てコーダになります。2曲目の"Yours and Mine"もホッジス、クレイトンによるテーマーからビリーの歌、そしてテディー、レスターのソロへとつながります。3曲目の "I'll Get by"でホッジスのテーマの後に出てくるビリーは、"I Cried for You"以上にメロディーの動きをセーブして、おそらく数音だけで構成されている実に風変わりでいながら、きわめてモダンな感覚をもつ歌い方でこの曲を元歌以上に魅力あるものに仕上げています。そして、この日最大の成果はやはり "Mean to Me" でしょう。冒頭でテーマを吹くレスターがすごい。2回目のAの部分ですでに倍テンでメロディー崩してしまい、クレイトンのサビの後はまったく新しいメロディーを即座に取り出してきます。ここでも、レスターはあえて1、3拍にアタックをつけるといった意表をついたアドリブを展開します。続いて入るビリーの歌も圧巻で、彼女特有の後乗りで歌った後、最後のA（つまりレスターが表にアクセントを置いた部分）でレスターと同様に表拍にアタックを入れていきます。この一体感が彼らのセッションの最大の魅力です。<br />
<div id="attachment_328" class="wp-caption alignnone" style="width: 235px"><img src="http://jazz.fukao.info/img/DSCF1371-225x300.jpg" alt="Lester Young" title="DSCF1371" width="225" height="300" class="size-medium wp-image-328" /><p class="wp-caption-text">Lester Young</p></div><br />
次の3曲は'37年6月1日のセッションでメンバーはクレイトン、レスター、ベイリー、テディーのほか、ギターがフレディー･グリーン、ベースがウォルター･ペイジ、ドラムがジョー･ジョーンズという「オール・アメリカン・リズムセクション」で構成されています。 "Foolin' Myself"はレスターが16小節、サビはテディー、後メロはクレイトンが吹き分け、ビリーの歌になります。この歌を聴くと、「彼女は自分がいったい何を歌っているのか熟知している」との評言が的を射ていることが分かります。同じことは次の "Easy Living"にも当てはまり、いったいこのバージョンを超える「イージー･リビング」などありえるのかという気にさせられます。とくにサビの最後 "They just don't understand"の解釈は圧倒的で、今でもこの曲を演奏する人は直接、間接的にこのバージョンの影響を受けています。当時まだ22の娘の演奏なのにね。つづく "I'll Never Be the Same" では、レスターによるオブリガートというより対旋律のように積極的な絡みにサポートされて一体感のあるビリーの歌が光ります。<br />
<div id="attachment_331" class="wp-caption alignright" style="width: 235px"><img src="http://jazz.fukao.info/img/DSCF1373-225x300.jpg" alt="若き日のレディー・デイ" title="DSCF1373" width="225" height="300" class="size-medium wp-image-331" /><p class="wp-caption-text">若き日のレディー・デイ</p></div><br />
最後の2曲は'37年6月15日のセッション。メンバーは上のメンバーのバスター･ベイリーに代わってエドモンド･ホール、テディー･ウィルソンに代わってジェームズ･シャーマンがピアノを弾いています。したがってテディー･ウィルソンのセッションではなくて、「ビリー･ホリデイと彼女の楽団」というクレジットになっています。ここに聞かれる "Me, Myself and I" と "A Sailboat in the Moonlight" は彼ら（とりわけビリーとレスター）による不滅の金字塔的作品です。"Me, Myself and I" では、ビリーが間奏をはさんで2コーラス歌うのですが、アプローチを変えることで、楽器演奏者とまったく同じ、あるいはそれ以上のレベルにたって（なぜならば歌詞というしばりがあるので）アドリブを展開していることがよく分かります。さらに "Sailboat"では、オブリガートをつけるレスターとビリーの間に、霊的としか言いようのない交感があって、お互いのフレーズを先取りしあいながらインタープレイの妙を繰り広げます。また、レスターによる表拍を強調したサビのアドリブが終わり、ビリーが歌い始めるや、彼はテナーでの最高音のひとつFを打ち出し、それに弾かれたように、ビリーが同様に表拍にビートを置いたフレーズで一音一音歌詞を叩きつけていくあたりはいつ聞いても背中に電流が走るほどです。ここまでのインタープレイは、モダンジャズになってもビル･エバンスとスコット･ラファロを俟たなければ生まれませんでした。</p>
<p>もしこの時点でビリーが引退してしまっていたとしても、彼女のジャズに対する影響は少しも減じることがなかったでしょう。しかし、彼女にはまだ使命がありました。それは「奇妙な果実」を歌うこと、そして後期のトーチソングを歌いついでいくことでした。これによってレディーは、ジャズに限定されず「歌の世界」そのものに影響を与えていくこととなったわけです。</p>
<p>まるで、締めの文章のようですが、まだB面が残っていました <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8)' class='wp-smiley' /> </p>
<p>B面1曲目、"I Cant Help Lovin' Dat Man"は'37年11月1日のセッションからで、この日のセッションにはビリーの十八番となる"My Man"も吹き込まれています。この曲では、メロディーの変化を極力抑えたビリー節がよく出ています。</p>
<p>2曲目と3曲目は年も改まった'38年1月6日のセッション。2曲目 "When You're Smiling"はレスターのアルバムで私が初めて聞いたビリー・ホリデイの吹き込みです。この演奏におけるレスターは神がかっていて、スイング時代としては最高のインプロヴィゼーションを展開しています。後にリー･コニッツがアルバム『トランキリティー』の中で、このアドリブラインをそっくり真似たのは有名な話です。ビリーの歌い方もモダンなフレージングです。4曲目 "I Can't Believe that You're in Love with Me"はテンポをぐっと落として叙情的な歌に仕上げています。</p>
<p>4曲目 "I'll Never Fail You" は'38年11月9日のセッション。続く"The Man I Love"は'39年12月13日と疎らになってきます。これは彼女がアーティー･ショーのバンドシンガーになったり、52丁目のクラブ「カフェ･ソサエティー」の呼び物になったりで、徐々にスターダムを駆け上がっていった結果かと思われます。"The Man I Love"でのビリーの歌とレスターのソロはこの時期屈指のもので、必聴の1曲といえます。</p>
<p>6曲目の"All of Me"は'41年3月21日のセッションで、ビリーとレスターによる、驚くべきインタープレイの妙が聴かれるトラックです。7曲目"I'm in A Lowdown Groove"は'41年5月9日、8曲目"Love Me or Leave Me"は'41年8月7日、そして最後のトラック"Until The Real Thing Comes Along"は'42年2月10日で、このセッションがコロムビアにおける一連のセッションの最後となります。"Love Me or Leave" は"Lullaby of Birdland"の元歌で、トリッキーなコード進行とメロディーを持っている曲ですが、ビリーがまったく自分のものとして料理してしまっていることに改めて驚かされます。</p>
<p>ビリーのコロンビアにおける吹込みの真価はビバップを飛び越えて、ウェスト･コースト･ジャズの時代になり明確な形をとります。リー･コニッツ、アート･ペッパー、ジェリー･マリガン、チェット・ベイカーといったミュージシャンたちが、レスターとのコラボにインスパイアーされてこの時代に吹き込まれた曲をモダンジャズとして蘇らせていくからです。さらにモダンジャズ期の歌手たちにとってこれらの吹き込みはお手本として、時には乗り越えるべき障害として彼らの前に立ちはだかることになるわけです。</p>
<p>そのビリー・ホリデイ本人はこの後、畢生の名曲「奇妙な果実」と出会い、自分自身の人生と歌とを重ね合わせることにより歌にドラマを持ち込むというそれまでにはない新たな「歌のあり方」を開拓していくのです。</p>
<p>この選集にきわめて近いアルバムを挙げておきます。1枚目はコロムビア時代をまとめた選集、2枚目は中でもレスターとのコラボに焦点を当てたすばらしいコンピです。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B00005Q45Y&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;m=amazon&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Billie Holiday: A Portrait of Billie Holiday - Disk 1 (Columbia)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2009/08/19320.php</link>
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		<pubDate>Tue, 18 Aug 2009 16:38:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Holiday, Billie]]></category>
		<category><![CDATA[vocal]]></category>
		<category><![CDATA[Webster, Ben]]></category>
		<category><![CDATA[Wilson, Teddy]]></category>
		<category><![CDATA[Young, Lester]]></category>

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		<description><![CDATA[ビリー・ホリデイが亡くなって、今年で50年。ルイ・アームストロングと共に、それまでの歌のあり方を圧倒的な才能で一挙に転換してしまったこの20世紀最大の天才歌手をしばらく集中的に取り上げてみようと思います。 細かい]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://jazz.fukao.info/img/portbillie-300x280.jpg" alt="portbillie" title="portbillie" class="jack" /></p>
<p>ビリー・ホリデイが亡くなって、今年で50年。ルイ・アームストロングと共に、それまでの歌のあり方を圧倒的な才能で一挙に転換してしまったこの20世紀最大の天才歌手をしばらく集中的に取り上げてみようと思います。</p>
<p>細かいことを考えなければビリーは3つの時期に分かれます。前期（ブランスウィック・ヴォキャリオン時代)、中期(コモドア・デッカ時代)、そして後期(ヴァーヴ時代)。それぞれ吹き込んでいるレーベルに対応するだけでなく、楽曲に対するアプローチとコンセプトにも対応している。</p>
<p>今回は前期、つまりブランスウィックやヴォキャリオンに吹き込んでいた時代について取り扱いたいと思いますが、この時期についてまとめると｢リズムの時代｣と言えます。たとえば、この時期の最大のヒット作といえる"I Cried for You"をに耳を傾けるとそのことはたちどころに了解されるはずです。この元歌の出だしはメロディーの動きがとても激しいんです。"I"がミ、"cried"が上のシ、"for"がその下のラ、最後の"you"はオクターブ下のラにまで落ちていく。のど自慢の歌手が歌えばこの上昇下降の音形をこれ見よがしにトレースするのに対して、ビリーはこの出だしの5度のジャンプを省略し、これに代わってリズムでフレーズの妙を展開します。さらに続くフレーズではメロディーの動きを抑えて、ほとんど同一の音でリズムに綾をつけていきます。そう、これは後にロリンズが繰り出す｢モールス信号｣、さらに現代のラッパーたちの原型と呼ぶべきものです。こう考えると、NYの地下鉄で日本のサラリーマンがビリーのレコードを見ていたら、近づいてきたアフリカ系のラッパーの兄ちゃんが "May I see it?"と、普段なら使いもしないような "May . . ?"で「見せてください」と頼んだというエピソードもうなづけます。と言うことで、この時期のレディーは形式的にすでに完成され、何をどう歌うべきかと言う指針を後代に残した重要な時期であると思うのです。ちなみに、中期は｢フシの時代｣と言うべきであり、後期は｢心の時代｣というNHK教育テレビの日曜早朝の宗教番組のような様相を呈してきますが、それはまた次の機会に。ただ、この全てを通じて結局変わらなかったのは(それは激変したにもかかわらず)彼女の声であり、それは常にサックスのサウンドであったことです。激変したのに変わらなかったという彼女のパラドクスに関しては、後期に関する記事で取り上げる予定ですが、未定です。</p>
<p>伝記的には1932年ごろハーレムで歌っているところをジョン・ハモンド坊ちゃんに見出され、翌33年11月27日にベニー・グッドマン楽団(まだプレークする前)と共に吹き込んだ "Your Mother's Son-in-Law"が初レコーディングとなり、これ以降いわゆるコロンビア系の吹き込みは230曲とも、それ以上とも言われています。これについてすべて解説するのは骨が折れるので、今回はそのベスト集を下敷きに解説してみたいと思います。特に今回取り上げる『ビリー・ホリデイの肖像』はLP時代末期、油井先生監修の元、ビリー・ホリデイ研究では日本の第一人者と言うべき大和明先生が選びに選んだ2枚組みなので、そこいらのアメリカ製CDコンピなど足元にも及ばないほど厳選されたものです。曲データは以下のとおり。</p>
<p>Disc-1<br />
Side-A<br />
1. I Wished on the Moon<br />
2. What a Little Moonlight Can Do<br />
3. Miss Brwon to You<br />
4. If You Were Mine<br />
5. It's Like Reaching for the Moon<br />
6. These Foolish Things<br />
7. I Cried for You<br />
8. Did I Remember<br />
9. No Regrets</p>
<p>Side-B<br />
1. Summertime<br />
2. Billie's Blues<br />
3. Pennies from Heaven<br />
4. This Year's Kiss<br />
5. Why Was I Born<br />
6. I Must Have That Man<br />
7. My Last Affair<br />
8. Carelessly<br />
9. Moanin' Low</p>
<p>Disc-2<br />
Side-A<br />
1. Sun Showers<br />
2. Yours and Mine<br />
3. I'll Get By<br />
4. Mean to Me<br />
5. Foolin' Myself<br />
6. Easy Living<br />
7. I'll Never Be the Same<br />
8. Me, Myself and I<br />
9. A Sailboat in the Moonlight</p>
<p>Side-B<br />
1. Can't Help Loving' Dat Man<br />
2. When You're Smiling<br />
3. I Can't Believe that You're in Love with Me<br />
4. I'll Never Fail You<br />
5. The Man I Love<br />
6. All of Me<br />
7. I'm in a Lowdown Groove<br />
8. Love Me or Leave Me<br />
9. Until the Real Thing Comes Along</p>
<p>一枚目、冒頭の3曲はブランスウィック・セッションにおける最初の吹込みでありながら、一気に理想的な演奏にまで到達した不滅の3曲と言うことができます（"A Sun Bonnet Blue"が省かれている）。録音日時は'35年7月2日。"I Wished on the Moon"の歌いだしはこの時期に特徴的な低唱と、ビートに微妙に遅れて乗っていくという彼女のトレードマークに彩られています。特筆すべきは "What a Little Moonlight Can Do"の演奏で、これは3分芸術としての極地を示した多面的な演奏です。テディーの魅力的なイントロから、ベニー・グッドマンがクラリネットの低域を活用したテーマを半コーラス吹き、その後一転して高域でテーマを演奏する。続くビリーは早くも"Ooh-ooh-ooh"の3音をオリジナルに逆らってD音だけで歌いとおすという個性を発揮しています。曲全体がチョッパやで突っかけるような2ビートを刻んでいるのに対して、ビリーは微妙に遅れつつビートを前後にゆすることでタメの効いた乗りで歌っています。ビリーの後はベン・ウェブスター（ts）、テディ・ウィルソン、ロイ・エルドリッジ（tp）のソロが続きますが、ビリーの圧倒的な歌唱の前に霞んでます。 "Miss Brown to You"は、ベニーによる冒頭のイントロが魅力的で、油井先生はこの部分をそれこそ「真っ白になるまで聞き込んだ」と言っています。"What a Little Moonlight"と同じくクラの低域を活用し後半になって高域に動かしていくテーマ演奏の後は、ビリーの歌。テンポがよいのでタメの効いた乗りから自在にアクセントを動かしてスイングを作り出していきます。Aメロの部分とBメロに入ってからでアプローチを変え、後半部分はまるでトランペッターのようなアタックです。また、この曲ではピー・ウィー・ラッセルなどがよくやるグロール・トーンをところどころ使って、まるで二つの音を同時に出そうとするような歌い方をしています。歌い終わっても名残惜しむかのように、デディーのピアノに合いの手を入れていくところもすばらしい。</p>
<p>4曲目の "If You Were Mine"は'35年10月25日のセッションで、何気ない演奏ながらも心のこもった歌が聴けます。とくに "Every my heart, every my life"の積み上げのところは実にしみじみしています。</p>
<p>5曲目から7曲目までは'36年6月30日のセッションで、エリントンのところからハリー・カーネイ（bs）とジョニー・ホッジス（as）が参加しています。5曲目 "It's Like Reaching for the Moon"ではホッジスがエリントン臭（と言うかホッジス臭）全開のソロを受けて、ビリーが例のグロール・トーンを時おり交えながら歌いついでいきます。ハリー・カーネイはここでクラリネットのオブリガートをつけていてちょっとしつこい感じ。6曲目 "These Foolish Things"はイギリスの小唄で、歌詞といい曲想といいビリーに似合いそうですが、冒頭ちょっとビブラートをつけすぎで歌いこなせてない感じがします。しかしサビが終わってAメロに戻ってきたあたりのフレーズ（"Win the marks and make my heart a dancer")は最高で、やはりすばらしい出来を示しています。そして当時としては驚異的な売り上げ15,000枚（3,000枚程度が普通だったらしい）を誇った "I Cired for You"。マクラでも述べましたが、メロディーの動きを最小限に省略して、これに代わってリズムを大胆に動かしていく彼女の特色がよく出ています。サビのところの対句となるフレーズを、入りを少しずらすことでそれぞれ異なったフレーズに仕上げているところも見逃せません。</p>
<p>A面8曲目からB面2曲目までは'36年7月10日の吹き込みで、バニー・ベリガン（tp）とアーティー・ショウ（cl）が参加しています。後にビリーはアーティーの楽団に参加し、黒人女性としては初めて白人バンドのバンドシンガーになるわけです。しかしながらさまざまな障害と彼女のストレートな性格から退団にいたるのは後の話。8曲目の "Did I Remember"ではイントロの直後から、自信を持ったビリー節を炸裂させて印象的なトラックになっています。続く "No Regrets"でも、ギターのイントロに続いてビリーが入ります。このセッションはペットとクラの絡みが中心なので音が高域に偏る憾みがありますが、アンサンブルのすばらしさと、ビリーの自信に満ちて文字通り"後悔しない"かのような潔いフレージングがその欠点を補って余りあります。</p>
<p>しかし、このセッションの最大の成果は続くB面冒頭の2曲、 "Summertime" と "Billie's Blues" でしょう。この "Summertime"は、しかしすばらしい。バニー・ベリガンの印象的なイントロに続いて、ビリーは低唱を生かした出だしから、いつもと同じく後乗りでメロディーの変化もぎりぎりまで抑えています。それにもかかわらずきわめてブルージーで威厳を持った歌になっている。2コーラス歌った後出てくるアーティーのソロもよく、さらにその後再び2コーラス目を歌うビリーのフレージングは冒頭の力強いアタックから最後のコーダ処理にいたるまで目を見張るものがあります。この "Summertime" の歌いだしのフレージングを、後にジャニス・ジョップリンが意図的に模倣します。ジャンルも、そして声質（ビリーがサックスの声なのに対して、ジャニスはディストーションをかけたギターの声）も違いますが、ビリーの後継者はジャニスかもしれません。真の後継者とは師のやり方をそのまま真似るのではなく、その精神を受け継ぐものだと思います。同じように、パーカーの真の後継者はパーカーのやり方からはどんどん離れつつ、その精神だけは失わなかったマイルスです。2曲目の "Billie's Blues"は「ブルースを歌うレディー」としては数少ないブルース（12小節形式という意味でのブルース）で、当時の趣向も手伝ってブギウギのリズムに乗って比較的アップテンポで歌われます。１コーラス目はアーティーがオブリガートをつけ、2コーラス目はベリガンが、続いてアーティーの力強いクラリネットと、ベリガンのダークで太いトーンを生かしたソロが続きます。再び出てくるビリーは3連符を畳み掛けるように効かせたすばらしい12小節で演奏を締めています。</p>
<p>3曲目 "Pennies from Heaven"は'36年11月19日のセッションでベニー・グッドマンやベン・ウェブスターが再び参加しています。ここでのビリーは自由なフレージングでインプロヴァーザーとしての面目躍如。オブリガートをつけるベニーも控えめですばらしい。ここでは省かれていますが、同日のセッションで吹き込まれた "I Can't Give You Anything but Love"も必聴の一曲で、サッチモの歌とトランペットの影響が直接的に現れていて、実に興味深い演奏です。</p>
<p>4-6曲目に聞かれる'37年1月25日のセッションは彼女のセッション中最も重要なもののひとつで、レスター・ヤングとバック・クレイトンが参加しています。4曲目 "This Years Kiss"の冒頭に演奏されるレスターの美しくてしなやかなフレーズは、そのままビリーの歌に引き継がれていきます。同じように "Why Was I Born"では冒頭のテーマをバック・クレイトンが取り、ビリーの歌は自由にフレーズを作り変えながら、繊細な情緒を歌いだしています。そしてこの日最大の成果ともいうべきトラックが6曲目の "I Must Have That Man"。ビリーの畳み掛けるような歌に控えめに絡んでいくクレイトンのオブリガート、そのムード引き継いでレスターとベニー・グッドマンのソロ。最後の合奏などお互いがお互いの音を聞きあい、気持ちを理解しあっているからこそ生まれるグルーブ感がたっぷりです。このセッションは、ちょうどビックス・バイダーベックとフランキー・トランバウワーがそうであったように、気心の知れた仲間が集まって和気藹々と最高傑作を生み出したところにその価値がある。ジャズはなんだかんだ言って、強いもの勝ちなところがあり、傑作といわれる演奏もどちらかというと競い合い、腕比べ、丁々発止のやり取りから生まれることが多い。サッチモとアール・ハインズの28年の演奏や、パーカーとディズ、バドとファッツ・ナヴァロなんかはそうした試合系の典型です。一方で、ここに聞かれるような調和系というのか、お互いが相手を上回ろうとがんばりすぎず、むしろ互いに引き立てあうように演奏を高めていく音楽観は、ビバップを飛び越えてマイルスに直結する姿勢であり、晩年のマイルスの映像を目にするにつけ、この姿勢は彼が生涯保ち続けたものだという確信を深くします。</p>
<p>7曲目の"My Last Affair"は'37年2月18日のセッションで、メンバーはがらりと変わるものの上のセッションのムードを引き継いだ感じがして面白い。とくにヘンリー・レッドアレンのソロがよく、彼女の歌も、歌詞をちょっとクールに眺めて面白いフレージングを見せています。</p>
<p>8-9曲目はエリントンのところからクーティー・ウィリアムス（tp）、ホッジス（as）、カーネイ（bs）の3人がやってきた'37年3月31日のセッション。8曲目の "Carelessly"ではホッジスが、9曲目の"Moanin' Low"ではクーティーがそれぞれビリーのバックでオブリガートをつけますが、ちょっとつけすぎでやかましい感じがします。</p>
<p>レコード1枚目はここまで。2枚目のA面は彼女のキャリアにおいてのみならず、ジャズ史上最も重要なセッション群が続くので、稿を改めたいと思います。</p>
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		<title>Art Tatum: The Tatum Group Masterpieces (Pablo)</title>
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		<pubDate>Sat, 19 Jul 2008 16:56:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
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		<category><![CDATA[Webster, Ben]]></category>

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		<description><![CDATA[盲目のピアニストアート・テイタムは超弩級のテクニシャンで天才なのですが、いまひとつ人気がありません。その理由は多くの人が気づいているように「うるさい」んですね。上手いんだけれどのべつ幕なしに「コロコロコ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://jazz.fukao.info/img/41c1t3va07l_sl500_aa240_.jpg" alt="tatumben" title="41c1t3va07l_sl500_aa240_" width="240" height="240" class="jack" /></p>
<p>盲目のピアニストアート・テイタムは超弩級のテクニシャンで天才なのですが、いまひとつ人気がありません。その理由は多くの人が気づいているように「うるさい」んですね。上手いんだけれどのべつ幕なしに「コロコロコロコロ」やられると耳につく。音楽で「耳につく」なんていうのは最悪なことなんですが、それでも耳について仕方がない。さらに、テイタムのソロ集などは大体が3分前後の演奏で、どの曲も同じように珠を転がしているので単調な感じがする。同じバカテクでもオスカー・ピーターソンが、そのバリエーションの豊かさから高い人気を得ているのに対して、アート・テイタムがいまひとつ人気がないのは、そういうわけだと思います。</p>
<p>それにしても、アニタ・オデイが "You're the Top" の中で歌詞をアドリブし、素晴らしいものの引き合いに "Tatum's left hand" （テイタムの左手）と歌っているように、実際目の前で展開されたら魂消るような上手さであることには変わりありません。ソロ集だと単調に流れる憾みがあるので、今回はホーン入りの名盤を紹介します。</p>
<p>メンバーはテイタム(p)、ベン・ウェブスター(ts)、レッド・カレンダー(b)、ビル・ダグラス(ds)で、録音は1956年9月11日。</p>
<p>1曲目は "Gone with the Wind" 。エラがベルリンで歌った名唱が残されていますが、それに匹敵するような名演です。イントロからテーマまでテイタムが弾ききっていますが、それにしても手数の多いこと <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_smile.gif' alt=':)' class='wp-smiley' />  せわしない感じすらしますが、その後に出てくるベンの悠揚迫らざるテナーと良い対比をなしています。この1曲目でこのセッションが成功していることは分かります、</p>
<p>2曲目の "All the Things You Are" はバップの聖典ですが、二人にはそんなこと無関係。｢名バラッド｣としてアプローチしています。ベンの深い音の背後でコンピングをつけるテイタムはしかし、コンピングという範疇を超えています。つまり出しゃばりすぎなわけです。ホーンと一緒になってアドリブしているわけですが、それがインタープレイに昇華されずに、同時に色んなことやっているという風情を醸し出しています。ビリー・ホリデイがらみのエピソードで｢ベンは非常に短気だった｣というのを聞いたことがありますが、この時彼は怒り出さなかったのかしら？あるいは｢俺のバックでピアノを弾くな｣とマイルスばりの発言はなかったのでしょうか？しかし、いずれにせよ56年という段階で、この曲を｢ありきたりのバップ｣にしていないところは凄いです。</p>
<p>"Have You Met Miss Jones" は邦題｢ジョーンズ嬢に会ったかい？｣は、テイタムを尊敬するピアニストオスカーPが、人気盤『プリーズ・リクエスト』で吹き込んでいますが、ここでの演奏はぐっとテンポを落としてゆったりとしたバラードに仕上げています。それにしてもベンのテナーの音色は実に豊かです。サブトーンが満遍なくいきわたっていて「これぞテナー」という音色。テイタムはやはりバックで手数多くやっていますが、この頃になると、「このアルバムはこういうもの」という気分に切り替わって、楽しく聞けます。</p>
<p>4曲目の "My One and Only Love" といえばコルトレーンとハートマンを思い出しますが、彼ら二人もわりとストレートにやっているせいか、この演奏とかぶります。もちろんハートマンがベンで、コルトレーンが後ろでうるさいテイタムの役です。かなり長いテイタムのソロがフィーチャーされた後ベンに受け渡されますが、二人とも全トラック中最高の出来を示していると思います。</p>
<p>5曲目 "Night and Day" にいたってやっとテンポが上がります。テーマのテイタムはストライド+テイタムという世にも恐ろしい展開になっています。ハイ・テンポだとベンも吹き荒ぶ傾向があって困りものなのですが、これはちょっと速いといった程度なので荒まずに吹いています。</p>
<p>6曲目の "My Ideal" は再びバラード。ここでのベンのソロは聴きもので、レイドバックしてブルージーな、実にくつろいだソロを取っています。テイタムはテイタムでテイタム満開の上昇下降を繰り返す「コロコロ」ソロから、一転ブルース・フィーリング豊かなソロに転じます。左手が走っているのは相変わらずですが。これは味わい深い。レコードでいう「B面2曲目」のジンクスがここでも発揮されています。</p>
<p>ラストが "Where or When"。テーマはテイタム。テーマの旋律を凌駕するような感じで左手が走りまくっています。もう、一人オーケストラ状態です。何ていう曲か忘れそうです。ということでベンが再びテーマのメロディーをしっかり吹きなおしています。</p>
<p>CDではこの後別テイクが3曲収められています。</p>
<p>いろいろ書きましたが、名盤ですよ。テイタムはソロだとベースやドラムも一人で受け持って、おまけに受け持てるだけの技量があるので時にうるさく感じますが、それでも一聴しただけで、ここまで強烈な個性を感じさせるピアニストは少数です。この辺の、強烈で傲慢なまでの個性というのが当時のジャズ界に見られるバイタリティーの源泉なのかもしれません。いまの人たちなら、それだけのテクがあっても「空気を読んで」控えてしまうかもしれません。さらに、この盤はベース、ドラム入りなので（全く空気を読んでいない場面も多いですが）少しだけ抑えた感じになっています。</p>
<p>まあ、「空気読む」なんて最低のフレーズなんですけれどね。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=B000STC6GO&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=FFFFFF&amp;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Herbie Hancock: Maiden Voyage (Blue Note)</title>
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		<pubDate>Sun, 06 Jul 2008 12:52:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Carter, Ron]]></category>
		<category><![CDATA[Coleman, George]]></category>
		<category><![CDATA[Hancock, Herbie]]></category>
		<category><![CDATA[Hubbard, Freddie]]></category>
		<category><![CDATA[piano]]></category>
		<category><![CDATA[Williams, Tony]]></category>

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		<description><![CDATA[ちょうどジャズに興味を持ち出した頃、奥平真吾さん(当時11歳！)がデビュー作『処女航海』をリリースして、おまけに彼と私が一歳違い。にもかかわらずこの大きな違いは何なんだ！？という大きな疑問にぶち当たりました。さ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://jazz.fukao.info/img/41dg378mbwl__aa240_1.jpg" alt="maiden voyage" title="41dg378mbwl__aa240_1" width="240" height="240" class="jack" /></p>
<p>ちょうどジャズに興味を持ち出した頃、奥平真吾さん(当時11歳！)がデビュー作『処女航海』をリリースして、おまけに彼と私が一歳違い。にもかかわらずこの大きな違いは何なんだ！？という大きな疑問にぶち当たりました。さいわい「才能の違い」という答えがすぐ見つかり、この疑問は解決しましたがね <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8)' class='wp-smiley' /> その後、この曲がハービー・ハンコックの代表作であり、ジャズ史にも影響を与えたエポック・メイキングな作品だったと知ったのはだいぶ後のことです。</p>
<p>最初にこのタイトル曲を聴いた時は、とくかく「クールな音楽」「抑えに抑えた音楽」という印象を持ちました。いわゆるクール・ジャズは『クールの誕生』をはじめ、ゲッツやコニッツなど聴いていたのですが、以前も書いたとおり、あまり彼らの音楽を「クール」だと感じたことはありません。一方で "Maiden Voyage" のイントロからして抑制感の極み。ジョージ・コールマンのサックスもショーター的というか、独自の抑揚を持っていて、激しく上昇下降するバップや音を敷き詰めて熱くうねっていくコルトレーンとは違う、クールなフレージングです。普段は熱い、いや暑いことすら多いフレディー・ハバードのトランペットも、実に抑えたブローイング。ハービーさんも、当然のように内省的なソロを取っています。普通、これだけ抑えていると退屈なものに仕上がるのですが、バックのトニー・ウィリアムスだけが自由に暴れているため、演奏をエキサイティングに仕上げています。</p>
<p>2曲目 "The Eye of the Hurricane"。「処女航海」ほど抑えられたものではなく、トニーのドラムを推進力にしてかなりバリバリ進んでいます。フレディーが1曲目とは打って変わって爆発的なブローイングでソロを取り、それに呼応するかのようにコールマン、ハービーも攻撃的なソロを取って演奏を盛り上げています。</p>
<p>3曲目は "Little One"。スローテンポのイントロから、イン・テンポになると3拍子で奏されます。コールマンの出だしはコルトレーンみたい。ちょっと懐かしいような哀愁あるフレーズでソロを構成していて、私のお気に入りでもあります。フレディーのソロもわりと崩し気味に吹いて、それをトニーが煽るという構成で面白い。ピアノは横に広がりのある和声を強調した幻想的なソロです。ロン・カーターのベースソロを経てテーマに戻ります。この曲はマイルスの『E.S.P.』にも吹き込まれています。私見ではマイルス盤の方により興味があります。</p>
<p>4曲目の "Survival of the Fittest" は「適者生存」という進化論の用語で、「音楽とどんな関連があるんだろう」と考えていた時期もありましたが、ある時「ジャズ曲のタイトルにはあまり意味がないものが多い」という記事を読んで納得した記憶があります。もっとも、こんな激しい曲をやったら「適者」じゃないと落ちてしまうような気もします。テンポを自在に動かして、フリーな展開を入れているところが興味深い。相当に相手の音を聴きあって、それに対して瞬時に反応できる連中でないと、ここまでフリーでありながら音楽を成立させることは難しいんじゃないかと思います。そういう意味では確かに「適者生存」かもしれません。ひところ、こういう音楽は難解な感じがして避けていましたが、今では違和感なく聴いています。感性も経験によって変容するのでしょう。</p>
<p>最後の曲 "Dolphine Dance" は、いまやスタンダード化された感のある名曲です。美しい旋律とモーダルな曲想が十分に生かされた雰囲気が素晴らしい。フレディーは曲の穏やかさをこわさない範囲で自由にソロを爆発させ、つづくコールマンも持ち味である甘めのムードを全開にしています。ハービーのソロも素晴らしく、何度でも聴き返したくなる演奏で、1曲目「処女航海」と並ぶ名曲・名演奏。</p>
<p>録音は1965年3月17日。メンバーはフレディー・ハバード(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000XAMEU6&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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	</item>
		<item>
		<title>Art Blakey: The Jazz Messengers (Columbia)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2008/06/03271.php</link>
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		<pubDate>Mon, 02 Jun 2008 15:21:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Blakey, Art]]></category>
		<category><![CDATA[Byrd, Donald]]></category>
		<category><![CDATA[drums]]></category>
		<category><![CDATA[Mobley, Hank]]></category>
		<category><![CDATA[Silver, Horace]]></category>

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		<description><![CDATA[ハード・バップのど真ん中にある曲は何かと聴かれれば、"Nica's Dream"じゃないかと答えています。この曲、作曲はホレス・シルバー、ハード・バップど真ん中からファンキーあたりまでの屋台骨を支えたピアニストで、ブルーノート後期]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://jazz.fukao.info/img/21z8fgst4hl_sl500_aa130_.jpg" alt="Jazz Messengers" title="21z8fgst4hl_sl500_aa130_" class="jack" /><br />
ハード・バップのど真ん中にある曲は何かと聴かれれば、"Nica's Dream"じゃないかと答えています。この曲、作曲はホレス・シルバー、ハード・バップど真ん中からファンキーあたりまでの屋台骨を支えたピアニストで、ブルーノート後期に｢宗教物｣といわれる懐疑的なレコードを連発したものの、最近は回帰して普通のジャズを堂々と弾いている人です。</p>
<p>彼の "Nica's Dream" といえば、ブルーノートの『ホレスコープ』が有名ですが、この曲に限って言うと、今回紹介する "The Jazz Messengers" の演奏が非常に優れています。録音は1956年(モダンジャズの当たり年です)の4月と5月。メンバーはリーダーのアート・ブレイキー(ds)他、ドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ホレス・シルバー(p)、ダグ・ワトキンス(b)です。この後、ホレスがバードやモブレーを引き連れて独立してしまい、残されたブレーキーはその後ピアノと作曲にボビー・ティモンズを迎え、リー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts+作曲)をメンバーに、歴史的なアルバム『モーニン』を吹き込んだことを思えば、大人の事情とはいえ歴史の偶然と不思議さに思いをいたします。</p>
<p>1曲目 "Infra-Rae" はハンク・モブレーの曲で急速調とマイナーな曲想が魅力のハード・バップらしい曲。ソロの先発はバード。情熱的なソロが魅力です。続いて三連も豊かなホレスらしいピアノソロ。そして作曲者モブレーのわりとすばしこいソロが続きます。モブレーはパーカーがよく繰り出すフレーズをところどころ引用したりして乗りに乗っています。最後にアンサンブルとブレイキーの4バースを経てブレイキーのドラムソロ。特に後半はドラム・ソロのショーケースになっています。</p>
<p>そして2曲目にして、永遠の名曲 "Nica's Dream"。ここでのバージョンは情熱的なホレスのバッキングにサポートされてモブレーが先発。これが実に味のあるソロ。曲を吹いているというより、何かを語りかけられているような気にさせられる名ソロです。続くバードのソロはクリフォード直系のクルクルと回転するフレージングを基調とした華やかなものです。クリフォードほど上昇下降を展開しませんが、それが彼の個性です。バードの後に出てくるホレスのソロ。冒頭の音を聴いて御覧なさい。どれほど彼がこの曲にかけているか聞こえてきます。そして、時を同じくしてブレーキーが細やかに奏法を変えてきます。これほどお互いの音を聴き合えていたのに・・・ホレスのソロを経て、アンサンブル?ショートソロの展開となり、曲に戻ります。実に名演。マイナー、ラテン・フレーバー、｢マイルス・ロリンズ・コルトレーン｣抜き、2管。これぞハード・バップのイデアではないかと思われる演奏です。</p>
<p>3曲目の "It's You or No One" はスタンダード曲。バップ風にアレンジされています。全員が快調にソロを飛ばします。4曲目 "Ecaroh"も優れたハード・バップ曲で、ネーミングはHoraceのアナグラム。メジャーキーですが、不思議と各人のソロがくすんでいるところがやはりハード・バップらしい。5曲目"Carol's Interlude" はモブレー作曲のマイナー曲。これなんかも実にこの時期らしいし、ブレイキーも煽りに煽っているんですよね。 "The End of a Love Affair" はスタンダードですがテーマはラテンリズムで演奏されています。この曲はハービーさんとチャカ・カーンも演奏していて、本当にエバーグリーンな名曲だと思います。</p>
<p>最後はモブレー作曲の、その名も "Hank's Symphony"。チャイナな感じでブレイキーもシンバルを銅鑼に見立てて叩くイントロから急速調なテーマになだれ込みます。テーマ終了後ブレイキーのかなり長いドラムソロが全面にフィーチャーされ、管はアンサンブルを中心とした裏方に徹しています。</p>
<p>下のCDではなんと5曲もプラスされていますが、再発の端境期で妙に高い中古にリンクしています。いま急いで買う必要はありません。いずれ再発されます。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000007V5C&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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	</item>
		<item>
		<title>Herbie Hancock: River - the joni letters (Verve)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2007/12/16260.php</link>
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		<pubDate>Sat, 15 Dec 2007 15:56:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Hancock, Herbie]]></category>
		<category><![CDATA[piano]]></category>
		<category><![CDATA[Shorter, Wayne]]></category>

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		<description><![CDATA[授業でハービー・ハンコックの音楽を聴かせました。「カンタロープ」。何人かは反応していましたが、中には狐につままれたような顔して聴いている学生もいて、やはり歌がないとポイントを絞って聴けない人もいることに]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/river.jpg' alt='river' class="jack" /></p>
<p>授業でハービー・ハンコックの音楽を聴かせました。「カンタロープ」。何人かは反応していましたが、中には狐につままれたような顔して聴いている学生もいて、やはり歌がないとポイントを絞って聴けない人もいることに改めて気づいたわけです。「歌入りでハービーさんのCDというと去年の『ポッシビリティーズ』かな」などと考えながら、授業終わりに「はり猫」へ行くとかかっていたのがこのアルバム。聴いていると、ショーターやティナ・ターナーも参加している。マスターに訊くと「つい最近出たアルバムですよ」とのこと。早速アマゾンで注文して取り寄せました。</p>
<p>アルバム･コンセプトはジョニ･ミッチェル曲集です。この女性はカナダ出身のロック歌手で、私達ジャズファンからするとロック畑の人が作ったということで話題になった『ミンガス』というアルバムと、ジャコ･パストリアスの恋人ということで記憶している人が多いかもしれません。</p>
<p>メンバーはハービーさんの他、ウェイン･ショーター(ts,ss)、デイブ･ホランド(b)、ヴィニー・カリウタ(ds)、リオーネル・ルエケ(g)。また、各曲にそれぞれ歌手がついて歌っているところは『ポッシビリティーズ』と似た構成となっています。</p>
<p>1曲目はジョニの名作 "Court and Spark"、歌はノラ・ジョーンズです。抑制感のあるハービーのイントロから、いわゆる「おしゃれなリズム」になってノラのけだるい歌声が入ってきます。中間で聴かれるショーターのソプラノは典型的なもの。もっとも、ショーターは常に個性満開なので、どんなことがあってもケニーGと間違われるようなことはないのですけれどね <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8)' class='wp-smiley' /> ハービーさんのソロは、かなり前衛的です。<br />
2曲目はブルース的な "Edith and the Kingpin" で、歌うのはティナ・ターナーです。イントロは「チャンズ・ソング｣みたいです。ここでのティナは "We Are the World" の男みたいな声や "What's Love Got to Do It?" に聴かれる迫力はあるけれどくぐもったような声に比べると、ずいぶん伸びています。タバコをやめたのでしょうか？ショーターはテナーを吹いています。<br />
3曲目は歌なしで "Both Sides Now"。ハービーのピアノとショーターのテナーによるインタープレイが全面的にフィーチャーされています。<br />
4曲目でタイトル・チューンの "River" はコリーヌ・ベイリー・メイの歌。彼女の事をネット調べると、キャッチフレーズが「ソウルフルでオーガニックな歌手」…「オーガニックな歌手」って何でしょ？野菜かっつうの！おそらく「ナチュラル」とか「健康的」という意味であることは推測できますが、つくづくですね。ちょっと鼻にかかったようなかわいらしい声で呟くような歌い方は魅力的です。<br />
5曲目は再びインストに戻って "Sweet Bird"。これもジョニの曲。私は歌なし万事OKなので、アルバム全体ではこの曲が一番好きです。ショーターのテナーもじっくり鑑賞できるし、どこへ行くのか分からないような自由すぎるソロでありながらも、歌い上げるところはきっちり歌い上げる構成力を持ったショーターのソロが堪能できます。背景で宇宙的なイメージの高音を出しているのはギターのルエケでしょうか？効果的です。<br />
6曲目の "Tea Leaf Prophecy" では、満を持して Joni Mitchell 本人が登場します。ブルース的に延々と繰り返して反戦が謳われる歌詞を、彼女が説得力ある声で歌っていきます。カーメン・マクレエのように分かりやすいディクションです。<br />
7曲目。ここで唐突にエリントンの "Solitude" が来ます。名曲で好きな曲だけに、ハービーさん流に解体されているのが却って残念です。<br />
8曲目 "Amelia" を歌うのは、ボサノヴァ歌手のルシアーナ・スーザ。ボッサ風のかろみのある声で歌い流していきます。逃避行の歌ですかね。<br />
9曲目の "Nefertiti" は言わずと知れたショーターの名曲。マイルスのアルバムでは、フロントが延々同じメロディーを刻んで、リズムのほうが逆にアドリブをしていくという変わった構成でしたが、ここでもショーターはかなり解体しつつもテーマに拘泥し、ピアノを始めリズム隊がインプロヴァイズしています。ただ、ショーター本人がテーマからついつい逸脱するので、ときおり集団即興演奏になりギターがサポートしてます。<br />
ラスト･ナンバーの "The Jungle Line" は再びジョニの曲で、詩を朗読するのはカナダの異色シンガーソングライター、レナード･コーエン。60年代の前衛芸術家達の試みみたいな感じで、「随分ゲージツしちゃって」という印象のトラックです。</p>
<p>最近のハービーさんは高踏的なんだか卑俗的なんだかわからないようなところがありますが、このアルバムはバランスが良いように思います。個人的にはトラック1,2,4,5,6がよかったです。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000UVLK1M&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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	</item>
		<item>
		<title>Barney Wilen: French Ballads (IDA Records)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2007/11/25258.php</link>
		<comments>http://jazz.fukao.info/2007/11/25258.php#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 25 Nov 2007 05:09:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[tenor sax]]></category>
		<category><![CDATA[Wilen, Barney]]></category>

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		<description><![CDATA[バルネ･ウィランにはこのアルバムから入門したために、ずっと「パリの粋なエスプリを感じさせるテナー」という印象を持っていました。寺島さんも、その著書で「国立（くにたち）にはバルネがよく似合う」とおっしゃっ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/bareney.jpg' alt='French Ballads' class="jack" /></p>
<p>バルネ･ウィランにはこのアルバムから入門したために、ずっと「パリの粋なエスプリを感じさせるテナー」という印象を持っていました。寺島さんも、その著書で「国立（くにたち）にはバルネがよく似合う」とおっしゃっていましたが、確かに雨の昼間の国立でこの『フレンチ･バラッズ』を聴いたらとても合いそうです。で、このアルバムから興味を持って他の作品を聴いていったのですが、ずいぶんとまた話が違う。同じ時期の他の作品ももっと前衛的なアプローチをしていたり、逆に極めて正統派のバップをやっていたりするし、若い頃の作品にいたってはハード･バップど真ん中だったりして驚きました。しかし、例外的な作品であるにせよ、この『フレンチ･バラッズ』は大傑作です。その証拠というわけではないですが、廃盤のためAmazonマーケットではなんだかとんでもない値段をつけて売られています。私の場合は一回アナログで再発された時にたまたま見つけて買いましたが、幸福な買い物でした。今でも折に触れて聴き続けています。</p>
<p>セッションは1987年6月24?26日、録音はフランスのイエール。Google Earthで調べてみると、パリ近郊の町のようです。メンバーはバルネ･ウィラン(ts)の他、ミシェル･グライユール(p)、リカルド･デル･フラ(b)、サンゴマ･エベレット(ds)のワン･ホーン･カルテット。曲はシャンソンを中心として全てフランス関係の曲で、それがタイトルの由来となっています。</p>
<p>A面1曲目「詩人の魂 (L'Ame des Poetes)」、シャンソン曲です。しかし、これが非常に深い印象を与えます。冒頭のテーマからフランスの香りがプンプン漂う。バルネの音色も深みが増した感じ。そして凄いのがドラムのサンゴマ･エベレット！彼のシンバル･ワークがこの演奏を傑作へと押し上げた感があります。いわゆるインタープレイでバルネに積極的に絡んでいくわけです。この1曲で打ちのめされました。</p>
<p>A面2曲目はミシェル･ルグラン作曲ですが、ジャズでもたまに取り上げられる "What Are You Doing the Rest of Your Life" 、邦題「これからの人生」。サブトーンを駆使して低音部を吹ききっている傑作で、テーマを歌い上げているだけですが哀愁感たっぷりです。3曲目「パリの空の下 ("Sous le Ciel de Paris")」はエディット･ピアフも歌っていたシャンソンの名曲。アップ･テンポの3拍子でAメロを低音部で吹き、サビから高音部に移ってそのままアドリブに突入しますがあっという間に終了。むしろ次のピアノがフィーチャーされた感じでなかなか聴かせるソロ。ピアノが終わって再びバルネ登場。少しソロを取ってエンディングという構成です。</p>
<p>A面4曲目は再びルグランの曲で、日本でも有名な「おもいでの夏 (Un Ete)」。ソプラノ･サックスでやはり哀愁たっぷりに吹き上げています。ラスト曲は「夢の城 ("Monoir de Mes Reves")。ジャンゴ･ラインハルト、フランス読みすればジャンゴ･レナールの曲です。ドラムが叩き出すビギンのリズムの上でバルネとグライユールがソロを取り、楽しい演奏が繰り広げられています。</p>
<p>B面1曲目は「枯葉 ("Les Feilles Mortes")」。フランス性を出すためにヴァースから演奏しています。テーマからは4ビートのミディアム。演奏時間はこのアルバムで最長の7分10秒でアドリブを4コーラスとっています。ただ4コーラス目はひょっとしたらピアノが入るはずだったのに入らなかったのか、バルネが途中から入っています。しかしどのコーラスもスムーズで美しいアドリブ。2曲目は再びルグランの曲で "Once upon a Summertime"。しかし、高井さんのライナーによると、これも元歌はシャンソンだそうです。ピアノを大きくフィーチャーした構成で、バルネも高音部にまでサブトーンを浸潤させさわやかに吹いています。ベース･ソロも出てきます。</p>
<p>B面3曲目はジャンゴの曲で "Tears"。ピアノレスの構成で、わりと自由にアウトしたり、パーカッシブ･トーンを繰り出したり、フリージャズに傾斜した経験をいい形で生かしています。そして最後は再びピアフとサッチモの名唱で知られるシャンソン曲「バラ色の人生 ("La Vie en Rose")」。冒頭からアドリブをはじめて、ちらちらとテーマの片鱗を吹きつつもじらせながら、最後の1コーラスでやっとテーマの全貌を明らかにするという心憎い構成。こういう「誰でも知っている」名曲にふさわしい仕掛けです。</p>
<p>下のリンク先はCDのもので、私の持っているLPよりもずっと曲数が多いです。値段はとんでもないものですが地道に中古レコードをまわれば、もっとリーズナブルな価格で求められるはずです。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B0000568NL&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Wes Montgomery: Full House + 3 (Riverside)</title>
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		<pubDate>Wed, 31 Oct 2007 10:04:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Griffin, Johnny]]></category>
		<category><![CDATA[guitar]]></category>
		<category><![CDATA[Kelly, Wynton]]></category>
		<category><![CDATA[Montgomery, Wes]]></category>

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		<description><![CDATA[クリード･テイラー路線のウェス･モンゴメリーには批判も多いですが、私は嫌いではありません。しかし、しょせん｢嫌いではない｣といった程度の好みであって、『夢のカリフォルニア』を聴くときのテンションというの]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/fullhouse.jpg' alt='Full House' class="jack" /></p>
<p>クリード･テイラー路線のウェス･モンゴメリーには批判も多いですが、私は嫌いではありません。しかし、しょせん｢嫌いではない｣といった程度の好みであって、『夢のカリフォルニア』を聴くときのテンションというのはあまり高くない。というか、聴くというより流してる感じです。それでは本当に気合を入れて聴くべきウェスといえば何かと言うと、答えは簡単で、彼には前人未到の3大名盤があるわけです。それは『インクレディブル･ジャズ･ギター』、『ハーフ･ノートのウェスとケリー』、『フル･ハウス』。今回はその中からホーンも入っている『フル･ハウス』を取り上げてみようと思います。</p>
<p>このアルバムは1962年6月25日、カリフォルニア州バークレイのコーヒー･ハウス「ツボ」でのライブ録音です。メンバーはジョニー･グリフィン(ts)、ウェス(g)、ウィントン･ケリー(p)、ポール･チェンバース(b)、ジミー･コブ(ds)。</p>
<p>1曲目でタイトル･チューンの　"Full House" はウェスのオリジナル。タイトルの由来はポーカーの｢フル･ハウス｣、つまりウェスとグリフィンがペアでリズムがスリー･カードにひっかけられたという説と、店が満員という説の2つがあります。事実、地元新聞の報道と口コミがきっかけで、通りの曲がり角まで行列ができていたという話が残っているほどです。シンプルな構造をもったリフ曲でセッションの口開けにもよく演奏される曲。イントロからテーマまでギターとテナーのユニゾンで演奏されています。ソロの先発はウェス。ホーン･ライクなアドリブから徐々にギター的なソロへと盛り上げていき、短いリフを畳みかけながら、オクターブ奏法を繰り出します。続くソロは｢リトル･ジャイアント｣ジョニー･グリフィン。情熱的で力強いソロを取っています。ケリーのピアノはしみじみしていますが、彼にしてはずいぶん地味なソロ。</p>
<p>2曲目の "I've Grown Accustomed to Her Face" は『マイ･フェア･レディー』の挿入歌。この歌詞の和訳については<a href="http://jazz.fukao.info/2005/03/166.php">以前の記事</a>でも書きましたが「ブスは三日で慣れる｣という意味ではありません <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_razz.gif' alt=':P' class='wp-smiley' />  グリフィンとケリーが休んでウェス+ベース＆ドラムスという構成で味わい深いバラード演奏に取り組んでいます。</p>
<p>3曲目はディジー･ガレスピーのリフ曲 "Blue 'n' Boogie"。ソロはウェスから。シングル･トーン→リフのたたみかけ→オクターブ奏法と盛り上げていくウェスいつもの構成です。次はケリー。このアドリブは盛り上がっています。グリフィンもまたおなじみの上のほうで「キュー」となる音を駆使しながら熱のこもったソロ、周りの掛け声まで入っています。ここでさらに素晴らしいのが、ドラムのジミー･コブ。ほとんど連打状態でグリフィンのソロをさらに鼓舞しています。そのままテナー対ドラム、ギター対ドラムの4バースに入り、続いてピアノ対ドラムで再び4バース交換をしていますが、これはおそらくケリーが即興的に割り込んでその場でやったのでしょう。ドラムソロをちょっとやってテーマに戻ります。</p>
<p>4曲目の "Cariba" はウェスのオリジナル。カリブということでしょう、ラテン･ビートです。珍しくベースが先発ソロに挑み、続いてピアノとなります。ケリーはカリブ海からの移民で、こういう曲には抜群の相性を示し転がるようなタッチと楽しげな曲想で素晴らしいソロ。続くグリフィンは速吹きでシーツ･オブ･サウンドみたいなことをしたりファナティックに畳み掛けたりやりたい放題。続いてでてくるウェスはコード･プレイまで繰り広げています。凄い！</p>
<p>5曲目。スタンダードの "Come Rain or Come Shine"は「降っても晴れても」の邦題がつけられた名曲です。比較的アップテンポで演奏されていますが、ここでのグリフィンは、本当に「らしい」演奏です。グリフィンの特色を掴みたかったらこのアドリブを聴けば一発です。これを超えると、やり過ぎですってんコロリンになるんですがね <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8)' class='wp-smiley' /> ウェスのソロはこの曲をギターで弾くときのお手本みたいなもんです。シングル･トーン、オクターブ奏法、コード･プレイ、コンパクトに全部揃ってますよ。続くケリーは、本人名義でヴィー・ジェイに吹き込んだ『枯葉』というアルバムで、この曲の決定的解釈を披露していますが、そちらはミディアム･バウンスだったのに対して、こちらはアップテンポ。しかし転がるような音と跳ねるタッチでスイングしています。</p>
<p>LP時代のラスト曲が、ウェス･オリジナルの "S.O.S"。印象的な合奏を挟んだ急速調の曲です。後半、合いの手に聴こえるグリフィンのテナーが「ニャー」と猫みたいに聴こえる。例の「キューッ」って音なんですけれどね。</p>
<p>CDにはあと3テイク入っています。7曲目は "Come Rain"のテイク1。グリフィンに関してはこちらのほうが落ち着きがあっていい。ウェスはやはりテイク2（オリジナル）のほうがいいですかね。探り探りやっている感じですが、あからさまな三段論法になっていない分新鮮な感じもします。ケリーもオリジナル・テイクのほうがいい。S.O.Sはテイク2。こちらではグリフィンの合いの手が下を吹いているので「ニャー」とならずに盛り上がりに欠けます。最後にニャーとふた鳴きしてくれますが。9曲目はまったく別の曲で、 "Born to Be Blue"。スタンダードで、グリフィン抜きでやってます。途中でダブルタイム・フィーリングを挟みながら終始シングルトーンでホーン・ライクに進めていきます。ケリーの抑えたソロを挟んで、今度はオクターブ奏法に移行しますが決してこれ見よがしではない。実に味わいのある名演。LPの収録時間の関係で省かれたのでしょう。</p>
<p>上記3作はどれも名盤です。ハズレはありません。ギター一本でウェスの特色を掴みやすくコンパクトなのが『インクレディブル』、ウィントン・ケリーとの絶妙なインタープレイも聴けてスリリングなのが『ハーフ・ノート』、そしてホーンも入ってエキサイティングなのが『フル・ハウス』という感じでしょう。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000SLI7OM&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Lester Young: With Oscar Peterson Trio (Verve)</title>
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		<pubDate>Wed, 24 Oct 2007 10:51:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Brown, Ray]]></category>
		<category><![CDATA[Kessel, Barney]]></category>
		<category><![CDATA[Peterson, Oscar]]></category>
		<category><![CDATA[tenor sax]]></category>
		<category><![CDATA[Young, Lester]]></category>

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		<description><![CDATA[日記ブログのほうにも書いたことですが、授業で観たサッチモの伝記映画の中で、ウィントン･マルサリスが印象的なことを述べていました。「晩年のルイはテクニックが無くなったから買わないという人がいるが、そういう]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/51xmsb8r0cl__aa240_.jpg' alt='Lester with Oscar' class="jack" /></p>
<p>日記ブログのほうにも書いたことですが、授業で観たサッチモの伝記映画の中で、ウィントン･マルサリスが印象的なことを述べていました。「晩年のルイはテクニックが無くなったから買わないという人がいるが、そういう連中は何も分かっていない。テクニックと速さを混同しているんだ。最高のテクニックはニュアンスである。それは人生と共に洗練されていったものだから、誰にも出せない」という彼の発言は、本人が一番学ばなければいけないような気がしないでもないですが、正しいと思います。そしてその直後に流れる歳をとったサッチモの「明るい表通りで」の演奏がナミダモノ。「ウェストエンド･ブルース」のように精緻なフレージングではなく著しく簡素化されたフレーズであるにもかかわらず、一音一音が持つ表情が豊かで深い。マイルスの場合も晩年、たとえば『ワールドツアー』のようなアルバムで聞こえてくる音は、実に深い陰翳があります。谷崎ではないですが陰翳がなければ面白くないわけです。そういえば、一時期調子に乗って「モーツアルトは陰翳がなく一本調子だからつまらない」などと放言したら、クラシックに詳しい人に呼ばれて、いろいろな演奏を聴かされて、自分が間違っていることに気づきました。演奏する人によって深い陰翳やニュアンスが生まれてくるということを知ったからです。</p>
<p>レスター･ヤングも全盛時代は凄かったが、軍隊生活以降はめっきりやる気を失ってダメになったというのが通説として言われていますが、これは疑問です。確かにあまりに無名で能力も怪しい連中と組まされた時や、本人の資質とまったく合わないJATP･ジャム･セッションなどではすっかりやる気を失っているような演奏もありますが、メンバーによっては実に深いニュアンスを持った演奏を行っています。全盛時代ほどの目くるめくフレーズ展開はないものの、一音にこもった音楽的な力はいささかも衰えていないのです。ここで紹介する『レスター･ヤング･ウィズ･オスカー･ピーターソン･トリオ』もそんなアルバムの一枚です。タイトルに「トリオ」と銘打っているくせに、レスター(ts)、オスカー･ピーターソン(p)、バーニー･ケッセル(g)、レイ･ブラウン(b)、J.C.ハード(ds)というクインテット、リズムが4人もいたりなんかして、ヴァーヴらしいといえばヴァーヴらしいタイトルです。演奏は1952年11月28日。曲目は下のリンク先のAmazonに全部載っていますし、便利なことに試聴までできますからそちらに譲ります。</p>
<p>特筆すべきは2. "I Can't Get Started"、そして、6から12にかけてのバラード銀座というか、名バラードの目白押しの部分です。とりわけ8. "On the Sunnyside of the Street" にはサッチモのバージョンと同じレベルの感情の深みがあり、「明るいのに暗い」「楽しいのに寂しい」というあい矛盾した情緒が同時に押し寄せるような域に達しています。まあ、この頃のレスターには、どの演奏にもそうした特色があるのですけれどね。わりとフェイクを強く施したAメロの演奏に続いて、サビはアドリブしています。そして再びでてくるAメロ部分でのたたみ掛けるようなフレーズの寂しさ。何かを思い出すようなフレーズです。2コーラス目のサビはこれまた深いニュアンスが込められ、その後のAメロでは一部音が出なくなっていますが、それが少しもこの演奏の価値を下げていない。非常に優れた演奏です。</p>
<p>私はテクにばかり耳が行ってしまったり、ジャズの原点を忘れそうになったりしたときに、耳をリセットするような意味でこのアルバムを聴きます。こっそり思っていることですが、有名な『プレズ･アンド･テディー』よりも一段深い演奏のような気がしています。</p>
<p>下のアルバムは輸入盤でジャケ違いです。いずれ国内盤が再発されるので、そちらを求めたほうがいいと思いますが、試聴ができるのでリンクを貼っておきます。(2009年8月現在、リンクのジャケがオリジナルになっているようです)</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B0000047D9&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Joe Henderson: Page One (Blue Note)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2007/10/22247.php</link>
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		<pubDate>Mon, 22 Oct 2007 14:05:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Dorham, Kenny]]></category>
		<category><![CDATA[Henderson, Joe]]></category>
		<category><![CDATA[tenor sax]]></category>
		<category><![CDATA[Tyner, McCoy]]></category>

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		<description><![CDATA[ケニー･ドーハムの｢ブルー･ボッサ｣はいろいろなアルバムで取り上げられていることからも分かるとおり、実に名曲ですね。16小節でCマイナーの構造を持ったこの曲には私も挑んだことがありますが、3番目の4小節の転調を上]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/pageone.jpg' alt='page one' class="jack" /></p>
<p>ケニー･ドーハムの｢ブルー･ボッサ｣はいろいろなアルバムで取り上げられていることからも分かるとおり、実に名曲ですね。16小節でCマイナーの構造を持ったこの曲には私も挑んだことがありますが、3番目の4小節の転調を上手く利用すると、私のようなヘタッピでも、そこそこムードのある演奏になるところが魅力です。オリジナルのライナー･ノーツでも、作曲者自信が「本物のメランコリーと快活さを持ち合わせた曲｣といっていますが、Cマイナーの部分が｢メランコリック｣、3番目の4小節のD♭メジャーの部分が｢快活｣と分類されるでしょうか。</p>
<p>この曲の原型の一つが収められているのが、今日紹介するジョー･ヘンダーソンのファースト・リーダー作『ページ･ワン』です。録音は1963年6月3日。メンバーはケニー･ドーハム(tp)、ジョー･ヘンダーソン(ts)、マッコイ･タイナー(p)、ブッチ･ウォーレン(b)、ピート･ラロカ(ds)。ラテン物やアラビア物をやらせたらぴったりのサウンドが聴こえてきそうなメンツです。</p>
<p>1曲目が "Blue Bossa"。テーマが終わって、まずは作曲者のケニーがグロール・トーンを交えながら原曲のムードを生かしたソロを取ります。続くジョー・ヘンダーソンのテナー・ソロが実に味わい深い。最初の1枚、最初の1曲にして名声を確立してしまったかの感がある名ソロです。マッコイも畳み掛けるような独特のスタイルで曲のとりわけメランコリックな気分を強調しながらソロを進めます。ブッチのベースソロを経てテーマに戻ります。</p>
<p>2曲目は "La Mesha"。同じくケニー・ドーハムの曲で16小節のブルージーなムードを持ったバラード。出だしはマッコイがテンポを設定せずに自由なイントロを引き始め、その後合奏に入ります。DVD『ブルーノート物語』では、この曲をBGMにしてビート詩人の詩を朗読していて、詩とBGMのムードがぴったりで感動した記憶があります。ジョーのソロも絶品。呑んでいて背景にこの曲が流れていたりすると思わず耳をそばだてます。</p>
<p>3曲目の "Homestretch" はB♭のブルース。作曲はジョー・ヘンダーソン。印象的なマッコイのピアノ･ソロから合奏になりますが、そこは「コルトレーン経験」を経た世代のマッコイやジョーのこと、ビ･バップの場合のブルースとは響きが違ってきています。ケニー･ドーハムだけがバップ丸出しでソロを取っているところも微笑ましい。</p>
<p>4曲目 "Recorda-Me (Remember Me)"もポルトガル語を使っていることから分かるとおり、ボッサのリズムです。ジョーが高校を卒業してすぐに書いた曲であるとライナーに書かれていますが、洗練された曲想に驚かされます。ピート･ラロカも印象的なラテン風のドラミングを叩き出しています。</p>
<p>5曲目の "Jinrikisha" は「人力車」のこと。ただライナーでケニーは「中国の荷車」などと書いていますから、この辺の区別は余りつかないのでしょう。ちなみに英語には "rickshaw"という単語がありますが、これが「人力車」のこと。もちろん由来は「リキシャ」からです。作曲はこれもジョー･ヘンダーソン。曲はマイナーで東洋的というよりも中近東のムードを狙ったような曲想ですが日本のジャズ喫茶などにもぴったりな感じです。2種類のビートが交互に出てきて曲のムードに彩りをつけています。マッコイのソロにはまさしく日本的なものを感じさせるフレーズが多用されていますが、彼は曲名の由来をよく知っていたのかもしれません。</p>
<p>最後の "Out of the Night" は12小節のマイナー･ブルースでジョーの作曲。マイナスワンの練習曲に出てきそうな曲です。ソロはケニーのファンキーなソロから始まり、ジョーの抑えた感じのソロ、マッコイの華麗なソロが繰り広げられます。</p>
<p>ジョー･ヘンダーソン初期の最高傑作です。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000TLYFKG&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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