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	<title>jazz.fukao.info &#187; Adderley, Cannonball</title>
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	<description>&#34;Louis Armstrong, Charlie Parker.&#34; (Miles Davis summarizing the history of jazz)</description>
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		<title>Miles Davis: Milestones (Columbia)</title>
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		<pubDate>Thu, 20 Sep 2007 14:49:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Adderley, Cannonball]]></category>
		<category><![CDATA[Coltrane, John]]></category>
		<category><![CDATA[Davis, Miles]]></category>
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		<description><![CDATA[『天国への七つの階段』の記事でも書いたとおり、「マイルストーンズ」という曲の大空に広がっていくような解放感が好きです。アルバム名も文字通り『マイルストーンズ』。「里程標 (mile-stones)」と「マイルスのサウンド (miles-tones)」がかかっ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/milestones.jpg' alt='Milestones' class="jack" /></p>
<p><a href="http://jazz.fukao.info/2007/09/16194.php">『天国への七つの階段』の記事</a>でも書いたとおり、「マイルストーンズ」という曲の大空に広がっていくような解放感が好きです。アルバム名も文字通り『マイルストーンズ』。「里程標 (mile-stones)」と「マイルスのサウンド (miles-tones)」がかかった、洒落のあるネーミングです。58年の吹き込みで、コルトレーン、キャノンボール、ザ・リズムセクションのセクステット編成。</p>
<p>まずジャケットがよい。ペットをしっかり握って、クッとこちらを睨むように「どうだ！」という目つきで写っているマイルスが素晴らしい。彼が新たな一里塚を踏破した自信と、自らのサウンドを確立した確信が現われています。</p>
<p>1曲目 "Dr. Jekyl" はジャッキー・マクリーンの曲。ハード・バップ期に流行った「ペック」という奏法をモチーフにした曲想です。ペックについては、<a href="http://jazz.fukao.info/2006/05/2641.php">以前の記事</a>で扱っていますが、鳥が啄ばむ（ペック）ような感じの短いリフの積み重ねのことです。これは意外と保守的な演奏。つまりコードを重視した感じです。ところが2曲目 "Sid's Ahead" になると事情は変わります。「ウォーキン」をぱくったようなマイルス作曲のブルースですが、バップのようなブルース演奏を期待していると驚かされます。私自身最初聴いた時はなんだか分かりませんでしたが、何度も聴くうちに、これは「モード」に対する挑戦なんだと分かってきました。調性感を犠牲にしたために、浮遊したような安定感のない、悪くいえば不安を掻き立てるようなソロが続きます。実際にはまだ「モード」そのものではなく、テンションをわざと入れていくようなアプローチなんです。ここでのバックのピアノはマイルスだと言われています。</p>
<p>3曲目の "Two Base Hit" はディジー・ガレスピーの名曲で、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズが大活躍しています。そして4曲目、タイトル曲の "Milestones" です。疾走するようなAメロと叙情性すら感じさせるBメロ。先発のキャノンボールは、畢生の名ソロです。続くマイルスのソロも、アルバム裏面の解説にある通り「ビックス・バイダーベック以来、もっとも美しいミュート・ホーン奏者（マイルスのこと）をフィーチャーしている」といえる美しく、はかなさを感じさせる名演。コルトレーンはもう少し行数が長くないとまとまらないかなといった感じです。ピアノのレッド・ガーランドは、まさに彼の限界というべきか、バッキングのつけ方に戸惑っている感じで中途半端です。</p>
<p>このガーランドが「マイルストーンズ」で不完全燃焼の仇を討つ、あるいは憂さを晴らすかのように、ビバップ全開でトリオ演奏をしているのが、5曲目の "Billy Boy"。最後はモンクの名曲 "Straight No Chaser"。ここで、面白いことが分かります。このセッションの途中で、レッド・ガーランドがカンカンに怒って帰ってしまい、そのため2曲目の「シッズ・アヘッド」でマイルスがピアノを弾く羽目になったと『自伝』にありましたが、「ストレイト・ノー・チェイサー」で弾くガーランドのピアノソロの後半は、パーカーの元でやっていた若い頃のマイルスのたどたどしいソロ（『サヴォイ』の「ナウズ・ザ・タイム」）をそのままコピーしたものです。これは嫌味でやったとしか思えません。タッチも乱暴で開き直ったように響きます。1ヶ月前のこの時点ですでに二人のカクシツというかカクチクはあったようです。本当の「喧嘩セッション」は、実はこちらなのです <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_razz.gif' alt=':-P' class='wp-smiley' /> </p>
<p>歴史的名盤『カインド・オブ・ブルー』の直前に聳え立つ名作。比べてみるとずっと不完全ですが、その不完全さとそれゆえの力強さが逆に魅力になる一枚でもあります。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B00092QUGM&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Miles Davis: Kind of Blue (Columbia)</title>
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		<pubDate>Sat, 18 Aug 2007 15:11:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Adderley, Cannonball]]></category>
		<category><![CDATA[Coltrane, John]]></category>
		<category><![CDATA[Davis, Miles]]></category>
		<category><![CDATA[Evans, Bill]]></category>
		<category><![CDATA[Kelly, Wynton]]></category>
		<category><![CDATA[trumpet]]></category>

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		<description><![CDATA[学歴社会から実力社会になったほうがいいと、学歴どころか「学」のない人がたまにご高説を述べていらっしゃいますが、そうなった時に真っ先に消えていくのはご自身だと分かっているのでしょうか？学歴社会ならば安定し]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/51atgwhl0pl__aa240_.jpg' alt='Kind of Blue' class="jack" /></p>
<p>学歴社会から実力社会になったほうがいいと、学歴どころか「学」のない人がたまにご高説を述べていらっしゃいますが、そうなった時に真っ先に消えていくのはご自身だと分かっているのでしょうか？学歴社会ならば安定したコースに乗っていけば、ある程度の保証があるのに対して、実力社会といったら、あんた、実力すらないあなたには厳しい社会だよ、と言いたいわけです。</p>
<p>などと思いっきり皮肉を言っていますが、このアルバムとどういう関係があるんでしょう？『カインド・オブ・ブルー』を語るとき、いわく「コード進行の呪縛に囚われていたジャズ界を解放した」、「バップの限界を打ち破りより自由な演奏をもたらした」などという紋切り型が横行していますが、これと上の図式とがよく似ているなと思ったわけです。バップが呪縛であってモードが解放というのは、ちょうど「学歴」という呪縛から「実力」という解放に向かうという神話の相似形です。確かにIII-VI-II-Vをなぞっていればそこそこ形になるバップに比べてモーダルな演奏というのは何でもありで自由ですが、何でもありすぎで、そこに本当の実力がないと単なるスケールの上下になってしまう。でも、本当に本物の、それこそ0から一瞬にして作曲できて手癖に陥らず、おまけに人に感動を与えられる人物なんていうのは限られていますからどういうことが起きるのか？結局、バップの時と同じく「らしいストックフレーズ集」なんかが出回って、それを必死で覚えて当てはめていくという、解放でもなんでもない結果に終わっています。</p>
<p>マイルス自身は『カインド・オブ・ブルー』を「失敗だった」といっています。これは紛れもない事実です。しかし世の中にはいったん褒めてしまった言葉を取り消せない人も多いらしくて、『自伝』の記述を全く無視して声高に自説を語って、最後は「いいからいいのである」などと寺島さん顔負けのトートロジーで言い切ってみたり、奥歯に物の挟まったような遠まわしな物言いで『自伝』そのものを貶してみたり、果ては「訳者の中山康樹の誤訳である」などと談じているので、てっきり原文をご存知がと思って尋ねたら梨の礫だったり、「ここまで言えるマイルスはやはり偉いのである、そうなのである」と話を微妙に逸らせたり、色々工夫しているわけです。</p>
<p>私の考えだと、これを「失敗作」と言ったマイルスが実際に狙っていたのは、例えば第2次黄金カルテットや『ビッチ』、あるいは『アガルタ』『パンゲア』のようにゆるゆるフォーマットの上に実力者が一堂に会してインタープレーを行うようなスタイルだったのではないかと思うわけです。その狙いに比べて、『カインド』は曲構造こそモーダルだけれど、結局順番にソロを回し、おまけにキャノンボールに至ってはトゥーファイブに分解してソロを組み立てていたりして、結局バップの延長線上に過ぎないと思ったんじゃないか？こう推測するわけです。ポリフォニックな展開を期待していたのに結局モノローグが羅列されていくだけの展開。この辺のことをマイルスは敢えて「失敗作」と厳しく批判していると思うのです。</p>
<p>このアルバムの魅力は一言で言うと気配・雰囲気です。ベースソロから徐々に立ち上がってくるイキフン。これに尽きると思います。そして、これまでのジャズのように結節点を目指してドミナント・モーションを展開させて句読点を打っていくのではなく、常に浮遊した感じでうねうねと彷徨っていくソロ。このあたりが素晴らしいと思うわけです。『カインド』から遅れること40年、グレゴリオ聖歌ブームが来たり、エンヤブームが来たり、ビョークが流行したり。改めてマイルスの先見性を立証しているのは事実だと思います。</p>
<p>ちなみに私も「ソー・ホワット」を一度セッションでやりましたが、DドリアンからE♭ドリアンに変わるところが分からなくて、ピアニストに目で合図してもらっていました <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8-)' class='wp-smiley' /> </p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000002ADT&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Cannonball Adderley: Somethin&#039; Else (Blue Note)</title>
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		<pubDate>Sun, 05 Aug 2007 12:13:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Adderley, Cannonball]]></category>
		<category><![CDATA[alto sax]]></category>
		<category><![CDATA[Blakey, Art]]></category>
		<category><![CDATA[Davis, Miles]]></category>
		<category><![CDATA[Jones, Hank]]></category>

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		<description><![CDATA[名義上はキャノンボール・アダレイがリーダーですが、実質的にはマイルスがリーダーのこの一枚は、色々な｢ジャズ・ベスト○○」だとか｢必聴！ジャズ○○選」などには必ず取り上げられている永遠の名盤です。そして、]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src='http://jazz.fukao.info/img/41ktvegnwrl__aa240_.jpg' alt='Something Else' class="jack" /></p>
<p>名義上はキャノンボール・アダレイがリーダーですが、実質的にはマイルスがリーダーのこの一枚は、色々な｢ジャズ・ベスト○○」だとか｢必聴！ジャズ○○選」などには必ず取り上げられている永遠の名盤です。そして、その名声を決定付けているのが冒頭の｢枯葉 (Autumn Leaves)」。タバコ屋のJTがジャズに力を入れていた時期があって、タバコの販促もかねて(ジャズマンの昔の写真には喫煙シーンが多いので) "Select Jazz"という番組をFMで放送したり、リスナーからアンケートを取って本を出したりしていました。そのアンケートでトップだったのが、ここで紹介する『サムシン・エルス』の｢枯葉｣でした。JTでは更に上記番組や本とリンクさせた "Select" という紙巻タバコも売り出して、ジャズ・ファンとしての義理もあって一度吸いましたが不味いタバコで常用することはありませんでした。いまどうなっているのか｢<a href="http://www.lsando.com/">リビングショップ安藤</a>｣というタバコの事典サイトと呼んでも差し支えないようなタバコ屋のサイトを検索しましたが｢廃止銘柄｣に分類されていました。</p>
<p>さて、この「枯葉」ですがマイルスお気に入りのピアニスト、アーマッド・ジャマルのアレンジを使って更にテンポを落とすことによって独特の雰囲気になっているわけです。メンバーはマイルス(tp)、キャノンボール(as)、ハンク・ジョーンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・ブレイキー(ds)。ハンクの印象的なイントロからホーンが入り、 "'Round Midnight" を思い出させるようなユニゾンのヴァンプが入って、マイルスの抑えに抑えたテーマが始まります。マイルス得意の「泣きのペット」ですね。これを受けるキャノンボールのソロは「笑いのアルト」とか「空襲サイレン」などとしばしば貶されますが、私としては抑えたマイルスとの対比が面白くてOK、これでキャノンボールまでしんみりしてしまっては面白くない。この後出てくるマイルスのソロはカウント・ベイシーではないけれど、「最小限の音符で最大の効果を出している」名アドリブだと思います。ハンク・ジョーンズのソロもマイルスの狙った効果を疎外しないように抑え目で玉を転がすようなピアノタッチ。アート・ブレイキーも抑えに抑えたドラミングです。そして忘れていけないのはサム・ジョーンズ。彼のベースラインがくっきりと捉えられているからこそ、この演奏が名演となっているわけです。同時に、それを捉えた録音エンジニア、ルディー・ヴァン・ゲルダーも忘れてはいけません。中音域が凝縮されブワーッと飛び出すエネルギッシュな録音であることも、このアルバムの名盤度を高めています。</p>
<p>ここでの解釈があまりに完成されたものであったためか、マイルスはこのフォームでの「枯葉」を封印してしまいました。後の「イン・ベルリン」などではチョッパヤの「枯葉」になっていて、曲名を見て買った私など、最初聞いたときに「フシが違うよ」などと呟きましたよ。まあ嘘ですけれどね <img src='http://jazz.fukao.info/wp-includes/images/smilies/icon_razz.gif' alt=':-P' class='wp-smiley' /> </p>
<p>それ以外の曲も、それぞれに聴きどころがあるものの、やはりこのアルバムは「枯葉」一発の評価で十分だと思います。</p>
<p>国内CDはいまの所在庫限りという感じですが、2008年の3月にRVGコレクション（エンジニアのルディー・ヴァン・ゲルダーが「リマスター」を手がけたCD）で再発されるようです。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B000228WGU&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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		<title>Miles Davis: 1958 Miles (Columbia)</title>
		<link>http://jazz.fukao.info/2006/05/2522.php</link>
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		<pubDate>Wed, 24 May 2006 15:21:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator>G坂</dc:creator>
				<category><![CDATA[Adderley, Cannonball]]></category>
		<category><![CDATA[Coltrane, John]]></category>
		<category><![CDATA[Davis, Miles]]></category>
		<category><![CDATA[Evans, Bill]]></category>
		<category><![CDATA[trumpet]]></category>

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		<description><![CDATA[マイルスのように息が長く、多面的で絶えず変化し続けたミュージシャンを紹介するのがもっとも難しく、いったいどれを取り上るべきか、どうやって紹介すべきか考えるだけで一日つぶれたりします。私自身も、マイルスの]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://fukao.info/img/miles58.jpeg" class="jack" alt="1958 miles" /><br />
マイルスのように息が長く、多面的で絶えず変化し続けたミュージシャンを紹介するのがもっとも難しく、いったいどれを取り上るべきか、どうやって紹介すべきか考えるだけで一日つぶれたりします。私自身も、マイルスのそれぞれのスタイルに、それぞれの思い入れがあり、どれを取り上げるかで言いたいことの半分は決まってしまうわけです。たとえば"Relaxin'"を取り上げておいて、「前進し続けるマイルス」を語るのは非常に難しい。なぜなら "Relaxin'"は前進、変化ではなく「完成」というキーワードで語るべきものだからです。一日中考えあぐねて、それでも埒があかないので思い切ってマイルスを通して私的なことを語ることにしました。</p>
<p>この一枚ははじめて買ったマイルスのLPです。ラジオでおそらく『ブラックホークのマイルス・デイビス』と思われる演奏を聴いて感激したからでした（もちろん『ブラックホーク』だと知ったのは後のことです）。ちょうどその頃TDKカセットテープのCMにマイルスが起用されていて、いわゆる70年代スタイルで演奏しているのを耳にして「なんだかジャズと言うより、怒って掻き鳴らしている感じのするいやな音楽だな」と悪印象をもっていたのですが、ブラックホークでの詩的なミュート・トランペットを聴いて認識を改め、レコード屋に買いに行きました。しかしアルバム・タイトルをまったく覚えていなかったので、店の人に「マイルスだけれど、うるさく掻き鳴らしていない古い時代のレコードないですか？」と尋ねたら紹介してくれたのがこれでした。</p>
<p>一曲目、"On Green Dolphin Street"。印象的なビル・エバンス（このLPではじめて耳にしたのです）のイントロからマイルスのテーマへ。なんという緊張感のある演奏！明るいわけでもなく、暗いわけでもなく、ブルースでもない、もっと浮遊したような雰囲気。そして同じ曲を演奏しながらも、ソロで登場するミュージシャンごとに変化するカラー。とりわけ、コルトレーン（彼をはじめて聴いたのもこのLPでした）が登場するや、それまでの景色が一変して新しい風景が広がる、そのスリル。この曲を聴き終わるや、買うことに決めました（ラジオで聴いたものとは違うことは分かっていたのですが、この一曲に打ちのめされました）。</p>
<p>え？どういうことだって？</p>
<p>今の若い人は知らないかもしれないけれど、昔はLP一枚買うとき、ちゃんと店の人に検盤（傷がないか確かめる）してもらって、店が混みあっていないときは冒頭の一曲ぐらい試聴（それも店中に流れるスタイル）させてもらってから買うかどうか決めたのです。もちろん気にくわなければ買わなくてよかったし、とくにこの時のように店の紹介で買う場合は向こうとしても客に確認してもらった方が後々のトラブルもさけられるのでよかったのです。</p>
<p>そういうわけで、この一枚を買ってきて早速聴いたのですが、さらに私を打ちのめしたのがB面１曲目の"Love for Sale"でした。ここでもソロが代わるたびに演奏のテクスチュアリティー（肌触り）が刻々と変化します。テンションの高いマイルスのミュート・ソロから、キャノンボールに替わるやはっちゃけて少しせわしない演奏になります。そしてコルトレーン登場。この雰囲気の変化はどうでしょう？ドラムのジミー・コブもあわせて奏法を変え、リムショット中心の叩き方に変化します。</p>
<p>私はこの一枚で、本格的にジャズにのめり込みました。ビートルズ小僧を経て、スイングジャズやサッチモをちらほら聴いていたジャズ小僧が、ついに引き返せないところにまで来てしまいました。マイルスに、エバンスに、コルトレーンに捕まってしまったのですから（笑）。そして、その奥にはパーカーが、バド・パウエルが待ちかまえていたのですから。</p>
<p><iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=fukao-22&#038;o=9&#038;p=8&#038;l=as1&#038;asins=B00005HY7V&#038;fc1=000000&#038;IS2=1&#038;lt1=_blank&#038;lc1=0000FF&#038;bc1=000000&#038;bg1=FFFFFF&#038;f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe></p>
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